朋友達との再会

格「えい! 来了!」
言われて窓の外を見ると、男性が二人、店の扉を開け入って来た。
そ「あーっ! 次丹! 印度!!」
(えっ? 次丹? 印度?? これがあの印度?)
そーねいは二人共面識があるしお互いよく覚えてはいるが、私はという
と次丹は名前はよく聞くけど顔が思い出せない。印度は顔はよく覚えて
いるけど話したことがない。
ましてやすっかり容貌が変わってしまった二人。
次丹はサラサラの長髪にがっちりした体格。
そして何よりも私の大好きな、あの”黒豹楽隊”のボーカル・秦勇に
そっくり!!
一方、印度は、12年前のあどけないインドの美少年っぷりはどこへやら、
すっかりインドの断食修行僧のようにやせこけ、違う意味でインドっぽ
い。

このふたりが、格多に言われたのか12年前の私達の写真を持って来てく
れた。
全員「おお〜っ!」
みなで写真と今を見比べる。
り「格多、太ったね〜!」
格「そーねいは12年前と変わらないな。でも、りんむう、NI変了太大
了!」
り「だって私この時、一番太ってたんだもん!」
それからしきりに
「痩了、痩了!」と繰り返す格多。次丹に至ってはしきりと写真と今
の私を見比べ「変わった・・・。」と一言つぶやく。
失礼な!!!

そ「印度、痩せたねぇ。次丹は背が伸びて・・・。っていうか、黒豹
の秦勇に似てる!!」
り「ああっ!そーねい! 私も思った!!」
次丹達は「あ〜、あれね・・・。」といったふうな反応。
そ「なんで? 不高興[口馬]?」
次「高・興!」
なんだか少々不服気な返事と私は受け取ってしまった。

そしてまた乾杯、乾杯。
ビールが次々と空になる。
昔話からサッカーの話題、最近のラサ事情など話題はつきない。
格「アイヨ・・・。十二年了・・・。」
感慨深気につぶやく格多。私達もしんみりしてしまう。
格「10年経って、僕らは再会できた。この次の10年後は日本で会お
う!」
り「10年後・・・。長すぎる〜!」
そ「みんな、日本には来ないの?」
格「おう!行くかもしれない! 年末に香港で大きな試合があるんだ。
  それに勝てたら、日本で演奏会だ。」
そ・り「ほんとに?!」
格「去年、日本の土地だけは踏んだんだぜ! ロスアンジェルス
演出に行った時、東京で乗り換えだったんだ。一歩、日本に降りて、
  『アイヨ〜。我[立占]在日本了!』それですぐアメリカさ!」
り「日本に来れたら、連絡頂戴!!」
そしてまた乾杯、乾杯。
すっかり打ち解けて陽気になったラールーが中心となって藏語・日本語
講座始まる。
格「中村は藏語、書けるんだよな。うまいんだ。」
そ「なんね、格多。中村からの手紙、ちゃんと受け取っとるんやん。
  返事が来ないって心配しとるのに・・・。」

ひたすら笑い、話し、飲み、気持ちは20才のあの頃と全く変わらない。
すると、フト、次丹と目が合った。
次「Nimen是不是昏?」
ハッとして時計を見ると、なんともう11時ではないか!!
り「ああ!もうこんな時間!!」
そ「帰らんと!!」

ここでようやくお開きとなる。
次丹が気を利かせてあそこで声をかけてくれてなかったら、一体何時
までいたことやら・・・。
確かに疲れていた。体力的にはもちろん、ずっと中国語で話していた為、
頭もクタクタである。
帰りたくない。
でも、帰らなきゃ・・・。

お店の前でみんなで写真を撮る。
印度が「じゃ、オレは店に残ってるよ。」と言って、格多、ラールー、
次丹がホテルまで送ってくれる。

店の前の道路を渡る。
ひとりスタスタと歩いて行く格多。
マイペースに、浮かれながらその後をついて行くラールー。
そして車が来ていないか左右を見て、私達二人をかばって道路を渡って
くれる次丹。
三者三様、性格が出ている。

り「我不想回家・・・。」
格多が、ヨシヨシといった表情で手をつないでくれる。
ラールーは「ここで写真撮ろうぜっ!」とラサ飯店の看板前に立って
ニコニコである。

り「じゃあね。どうもありがとう。」お
そ「また、会おうね。」

あっさりと帰っていく3人。
私達に向かって手を合わせてくれる次丹。
3人が見えなくなるまで立ち尽くし、見送る私とそーねい。

「縁」というものの存在を信じた一日が更けていった。

                         (つづく)

邦人の子どもに対する連れ去り未遂事案の発生について在上海日本国総領事館

平成28年10月19日                                                 
 「9月25日(日)午前10時40分頃,カルフール古北店において,家族と買い物に来ていた日本人の6歳の子どもが,家族と離れて1人でおもちゃ売り場にいたところ,見知らぬ中年男性から中国語で『お家に帰ろう』と声をかけられ,腕を掴まれて引っ張られ,怖くなった子どもが,手をふりほどいて家族のもとへ戻った」という事案があった旨,10月18日に当館まで通報がありました。
 中年男性の人相は,頭部が一部禿げており,髪色がグレーで,眼鏡はかけていなかった由です。
 幸いお子さまに被害・怪我などはありませんでしたが,在留邦人の皆様につきましては,日頃よく利用するスーパーやお店であっても,このような事案が起こりうるということを認識していただき,より一層防犯にご注意下さい。


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