人の縁

ちょうど10年前、2001年のこと。
ある方からの予約申し込みをみてあれ!?どこかで聞いたことがある名前だな・・でも記憶が定かでない・・・・ということがありました。幸い座席も取れて、送付いただいたビザ申請書の写真を見て13年前の記憶が蘇ってきました。
1988年、私は静岡市にいました。近くの公園で知り合った、私より1,2年上の中国武術のインストラクターが百貨店前で表演をすることを聞き、その頃私が担当していた地方版の「今週のわたし」という欄(一般の方の今週の活動を紹介するコーナ-)に掲載しました。経歴を聞くと、高卒後故郷を出て大阪での新聞販売店住み込み等でお金を稼ぎ、単身で中国大陸に渡って数年研鑽、帰国後、請われて静岡で武術のインストラクターをするようになったとのことでした。私は日本の武道は少しわかるものの、中国武術について無知でしたので、もしかしたら不快な思いをさせてしまったかもしれませんが、とにもかくにも取材して夜の公民館で撮ったポーズ写真付きで掲載した記憶があります。当時、私の中国へのイメージは、お決まりですが人民服と自転車の大群、頭の良いエリートとしぶとく生きる一般人民への畏敬、そして、言論や人権に関する政府への負のイメージ、というものでした。単身渡航して武術の研鑽をすること自体、私には驚きでした(このような方がこの時代にも結構おられたことを知ったのは後年)。
その後私は静岡と会社を離れました。その方ともそれきりでした。数々の仕事や移動をしながら、出身の地に戻って現在の仕事をするようになりました。そして突如E-mailで航空券の申し込みがあったので、ビックリしたというわけです。その方は私のことはぼんやりとした記憶くらいであまり覚えてないはず。何しろ13年ほど前の話ですから・・・それが検索エンジンを使って偶然見つけた弊社のサイトに申し込んで来られたというわけです。人の縁とは何と不思議なものなのでしょうか・・・・
そのころはおびただしい数の名刺をもらいましたが、大部分は捨ててしまいました。でもその方のは残して有りました。一貫してご自分の選んだ道で勝負し、現在その道を極めて立派に独立されています。私のようにちょくちょく進路を変えてきた人間とは大違い。びっくりしたのはもしかしたらその方のほうかも。ちょっと恥ずかしくなりました
http://homepage3.nifty.com/kamakurakoka/