北京発のチケットをEMSで送っていたころの話

開業して数年、イラン航空北京発成田往復(あるいは片道)を扱っていました。現地発のほかの航空会社便は当時高かったので、イラン航空の北京発のチケットは需要があったのです。ただ、イラン航空は毎週木曜日の発着でしたので、利用者は主に日本へ里帰りの留学生とか、両親を日本に呼び寄せる中国人。毎週、国際郵便局から当時は紙だった航空券を北京なりその他の中国の地方都市にEMSで送っていました。EMSを使って送ればだいたい4日もすると「届きました」メールが来ます。
だいたい前週の月曜日までにお客さんと最終確認して、火曜日に発券手続きをとり、水曜日に東京駅前の中央郵便局から送ります。そうすると木曜日には中国へのフライトに乗り、書類なので税関検査もなく、金曜日には地元の国際郵便局に到着、北京市内なら早ければ土曜日に、遅くとも月曜日には到着しています。北京以外の地方都市はその2日前くらいに出すようにしていました。
届かなかったというトラブルは幸い発生しませんでしたが、ヒヤヒヤしたことは何度かありました。

たとえば・・
お客さんから出発前日メールが来て「届きました」とのこと。安心して読んでいくと「今日(水曜日)の午後3時に届きました」とのこと。え!?とびっくり。
というのも、そのお客さんには1日遅れの前週木曜日に発送となったものの、インターネットの追跡システムでチェックしたところ、次週の月曜日に到着して完了、となっていたからです。つまり、どこかに到着して配達人が受取人のスタンプをもらって完了し
たものの、お客さん(留学生なので大学に届く)自身への配達が完了していなかったことになります。
実際は大学の事務局に到着していたが2日間本人に回らなかったということなのだと思いますが・・・・。メールではあまり慌てていない?ような文面でしたが、これはヒヤヒヤものでした・・・・

そして別なケース・・・
1週間前に出したはずの航空券入りのEMSが届いていないというものです。この件もインターネットで追跡したところ3日前に届
いているはずなのです。
その学校は日本人の留学生はほとんどいない、その学生さんは学内の寮に住んでいましたがそこの学生さんではなかった、という条件が重なりました。
結局その大学の隣にある、留学生の多い大学(中国人より留学生の方がはるかに多い大学、と言えば北京在住の方なら真っ先に思い浮かぶあの学校です)の事務室に航空券入りのEMSが預けられていたことがわかりました。
「住んでいない学生の郵便物は受け取れない規則である」とそのお客さんが住んでいる大学側が言い訳していたとのとのこ(お客さん談)ですが、要は知らない名前のEMSを受け取った事務室の人が困って、隣の、日本人がたくさんいそうな、マンモス留学生大学に預けたというところでしょう。

こうしてみるとトラブルばかりのようですが、実際はほとんど順調に届いていますし、今回紹介したケースも3日前に「だれかがどこに届けるかわからないと電話してきた(が相手がよくわからなかった)」(お客さん談)と電話してきたそうですから、郵便局或いは大学事務室がそれなりに職業倫理を全うしようとした形跡はあるようです。

ですから、この場合はEMSに携帯の番号も入れるとか、連絡があった時点で相手が誰か問い返す、とかでトラブル無く解決したケースでしょう。言語の問題もあって行き違ったものと思われます。これも宛先窓口の大学の事務室と留学生本人までの連絡がスムーズでなかった一例と判断されます。

この話をメルマガに書いたところ、いくつかコメントを頂きました

以下は西安の留学生の方から。
「まず、郵便物は、EMSであるないにかかわらず、大学全体の郵便預かり所みたいなところに届けられます。そこから、留学生部の人間が定期的に回収し、外事処(留学生管理の事務所)に持ち帰ります。この「定期」がどのくらいのサイクルかによって差がでます。
ここから先は各大学によって大きく差が出てくるらしいです。郵便が届いていると、留学生本人の部屋に電話したり、それ専用の掲示板があったり、というような対応をしているところは、早く手元に届くと思います。わが校は、残念ながらそうシステムは一切ないので、届いた郵便物は、留学生一括の箱に入れられ、留学生楼のロビーに放置(言葉悪いですが、本当にそんな感じ・・・)され、それを個人個人で発見しなければなりません。EMSの場合はさすがに放置はされず、外事処で保管されますが、郵便物管理の係の人間があまり熱心ではないのでわれわれ留学生への通知も遅れ気味になります。というわけで、日本から2週間かかって手元に届いたEMSなんていうのも留学生の間ではざらに存在してしまうことになるのです」
つまりEMSを送ったら相手にそのことを通知して学校の担当部署にEMSチェックをしなければならないようですね。
今度は北京の留学生の方からです。
「EMSは通常、寮までダイレクトに届けてくれるのですが、私は一度、他の小荷物と同じように国際郵便局から通知がきて、
取りにいきました。その際、学生証を持っていったのですが、パスポートでないとダメと言われ、結局翌日も行ったのです。
急いでいるからわざわざEMSにしたのにこれじゃ意味がないじゃないか、とゴネたら、中身の検査が必要なんだ、といわれたことがあります。そして、中身の検査を受けて、やっとゲット。これじゃ、普通のエアー便と変わらない・・・とムっとしたことを思い出しました」