「ロータス(易初蓮花)上海wu zhong店」

■ まとめ
今回初めての試み「ストーカー調査」は、ターゲットに悟られることなく成功しまし
た。指導教授のワンポイントアドバイス、「背後から観察してはいけない。横から
見るべし。」を守ったためでしょうか。
今回は時間の関係と、店内がだんだん混みあってきて尾行に支障がでてきたこと等で、
1組だけの調査でした。そのため、この夫婦の購買行動を一般的なものと見なすのは
問題があるかもしれません。例えば、この夫婦はそれほどまとめ買いはしていません
でしたが、カートいっぱい買いをしている人も半数近くはいましたし、
家電だけを品定めに来ている人もいました。

でも、今回の調査からいくつかの発見がありました。

(1) ロータスは買い物がしやすい店である

ロータスハイパーマーケットで、家電から食品までワンフロアにあり、店内も
かなりの広さです。
この表現から想像すると、まとめ買いのための店で、時間をかけて買い物しないと
欲しいものが見つからないかもと思うかもしれませんが、実はそうではありません
でした。
この夫婦の店での滞留時間は40分。しかも、商品の場所を探す無駄な動きは見られ
ませんでした。(もちろん品物は十分吟味していたが。)

店内は広告の品や目玉商品(ワゴンでの販売)、試食のデモンストレーションが多く
見られましたたが、商品カテゴリーごとにきちんと並んでいます。
カルフールで見られるように、入り口に紙おむつとワインといった妙な組み合わせは
一切ありません。しかるべきところにしかるべきものが置かれています。
カルフールの棚は、それはそれで消費者の購買行動に基づいて設計されていることは
知っています。でも、キャンペーンの度に商品の配置が変わったり、数箇所に同じ
ものが分散されて並べられたりするのは、買い物する側にとってはちょっと疲れる
こともあるのではないでしょうか。
ロータスの店内は混みあっていましたが、人の流れが一定方向に自然に流れるようで、
お互いがぶつかったり、カートを進められないという状況はほとんど見られません
でした。
急いでいるお客様も、時間をかけていろいろな物を見たいお客様も、どちらにとっ
ても満足できる店内でした。

(2) 値引きよりも付加価値プロモーション

店内を見回しましたが、「定価いくらの品が今ならいくら」という二重価格表示は
店内には見られません。ちらしには「ロープライス」の表示があるものがありますが、
値段だけが記載されており、いくら値引きかという具体的な表示はありません。
台湾もそうでしたが、「買一送一」(1つ買えばもう1つサービス)と、「おまけ」
が主流です。
日本は「価格破壊」とやらで、今や安くするために品質までが脅かされています。
値引きよりも、付加価値プロモーションの定着の方が、健全な商売ができるのでは
ないでしょうか。
でも、日本の流通や日雑業界は、もはや付加価値プロモーションに戻れないかも
しれないなあ・・とちょっと考えてしまいました。

今回のターゲットも、豆腐、ハム購入時、「買一送一」の商品に反応し、購入しま
した。
また、ターゲットが来店前にちらしを見ていたか不明ですが、クッキーとハムが
ちらしに載っていました。
                              (つづく)
(2002年掲載)
http://homepage3.nifty.com/kamakurakoka/