愛斯達名犬交易市場(北京市朝陽区四環路)

(2005年のメルマガで掲載したものです)

北京市の犬事業協会によって建設された犬の販売所。

敷地内には広い駐車場と食堂があります。

「使役犬の訓練と繁殖センター」と中に看板があったが、訓練活動も

行っているとのこと。(トイレは懐かしのニイハオトイレだった。)

門をぬけると、工場跡地のようなだだっ広い土地に、向かって右半分

は駐車場用地、左半分にプレハブタイプの店舗のようなものが並んで

います。

その店舗の手前の道では、外部からトラックや荷車でやってきた人た

ちが4,5組、子犬や大型犬を売っていました。自由市といった様子。

子犬はトイプードルやゴールデンレトリバーダックスフント(短毛・

スタンダードタイプ)といった純血種もいますが、ほとんどは雑種と

思われます。

アメリカンコッカースパニエルに似た黒毛の子犬(男の子)は、生後

2ケ月程度と思われますが、痩せて、腰が歪曲しているのがわかりま

す。「いくら?」と聞く客に、売人は150元と言っていました。

何人かの客はかわいい子犬を抱っこしていましたがが、売買が成立し

た人がいる様子はありませんでした。

かわいそうな子犬たちは空のガラスの水槽の中や上に置かれ、マイナ

ス8度程の冬空の下、兄弟でくっ付きあって震えていました・・。

その先には、超大型犬のグレートデンジャーマン・シェパード等が

4匹つながれています。

子犬ではなくもう成犬ですが、番犬か繁殖目的で売られるのか不明。

(大型犬の売人はやはり凶悪そうだったので聞けず。)

敷地内に入ると、プレハブ店舗が道の左右に軒を連ねています。

生体(犬)販売所兼ペット用品店のような形をとっていて、中には

トリミング(犬の美容室)も併設している所もありますが、ほとんど

はブリーダー(犬の繁殖家)の直販所である。

一軒目の店舗はきれいな女性オーナー(と思われる)が、日本スピッ

ツ(女の子・4ケ月)を抱っこしていた。ちなみに日本スピッツは中

国では「日本狐狸犬」と呼ばれているらしい。商品なので名前はつい

ていないそうである。

性格はよさそう。多少臆病なようで甘えていたが、無駄吠えはないと

いうことです。食欲もあるようだし、体格も標準、顔の感じや体形、

真っ白な毛並みの良い日本スピッツ。後で見る他の店舗の犬と比較す

ると、この店舗は良心的な経営を行っているようでした。

店内のペット用品は古びているものが多く、国産のスキンケアシャン

プー、ノミよけ首輪、トイレシート(100枚50元)、ぺディグリーチャ

ム缶詰小(15元)、ロイヤルカナン(ドライフード8kg)等が棚に並ん

でいました。

その並びにある別の店舗では、トイプードル等の小型犬を売っていま

す。店舗の一部がガラス張りになっていて、トリミングをしているの

が見えます。

また、別の店舗では、コリーを専門にしているところがありましたが、

目の感じや顔つき、毛の色が少し標準的でないと思われる子がいまし

た。

その先にはペキニーズ専門店舗、ミニチュアシュナウザー専用店舗、

シェパード専門店舗、ゴールデンレトリバー専用店舗、シベリアン

ハスキー専門店舗というように、ほとんどは犬種別の店舗になってい

ます。

ここのブリーダーは、同一犬種を繁殖して売っているようです。

店舗の中にドッグショーの賞状を飾っているところもあります。

シベリアンハスキーの店舗は、看板がハングルのものもありました。

韓国でハスキーがブームだと聞いたことがあるのですが、その流れで

しょうか?

シベリアンハスキー風のモーリー(男の子・推定1.5歳)は、飛びつき

癖がある甘えん坊。熱烈なキスの歓迎をされました。別れ際 顔と顔を

くっつけて、「健康に気をつけて長生きすること。幸せになること。」

と、言い聞かせていたら涙が出てきてしまいました。モーリーは性格は

とてもいいし、聞き分けもよさそうでしたが、ハスキーにしては毛が長

く、顔も長いのでコリーも混ざっている雑種のようです。繁殖犬として

は適さず、オスなので売られる運命しかないのかもしれません。もう子

犬ではないし身体も大きいので、果たして今後よい飼い主にめぐり合う

ことができるのでしょうか・・・。

寒さには強い犬種ですが、おなかをこわしている様子がスノコに付着し

たうんちの跡でわかりました。できることならつれて帰りたい・・・

寒い季節でもあるし、子犬が産まれる季節ではないので、客足は少なか

ったですが、中高年の夫婦が目に付きました。犬を入手するには、ここ

はメジャーな場所ではないようですが、これから犬を飼おうという人が

ブリーダーと直接交渉して購入できる場所としては、子犬の親犬が見ら

れたり、ブリーダーの人となりを知ることができるので、よい犬とめぐ

り合うことも可能だと思いました。

どこでも同じように、いろいろなブリーダーがいるので、乱繁殖で悪い

遺伝を持った健康でない犬や、そういった資質を持った犬がいるのも

現実。

犬も飼い主も幸せになれるように、繁殖の倫理やルールが、早い時期に

確立されることを祈ります。

ここ北京でも、日本と同様、買う側がきちんと勉強して知識を持ってい

なければならないのは同じことのようです 
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