仕事を自分で始めることについて2005年に書いたものです。14年目から先へ。

自分のことも話しながら、仕事を自分で始める、ということについて
考えてみようと思います。

いまの仕事を始める前には他の仕事での独立を模索していて、パートナ
ーと調査とか出張とか事務所設置など重ねて、私にとっては結構な金額
を使ったのちに、結局物にならないと判断してやめたこともあります。

商売精神が身についているかたには笑われるかもしれませんが、
教訓としては、

仕入れと客先の見込みをしっかり立てる
自分が川上から川下まで掌握できるビジネスを。
他人の力量に頼らない
なんとかなる、はダメ
事業がだめだと判断したらすみやかに損切りして撤退!

といったところでしょうか。

仕事を自分で始めたいのなら熱気は必要ですが、資金繰りのことを冷静に考えておか
ないといけませんね。
独立するときだけでなく黒字化するまで出費が続きますし。
会社辞めた人はもらうべき給料ももうないのですから。

でも、私はいまの仕事を余裕で始めたわけではありません。
失うお金も尽きつつあり(笑)切羽詰った心境でした。
仕入れに金がかからない仕事でないといけないと思っていました。

しばらく中国人経営の旅行社にいて、私自身は貿易などやっていたのですが、
私には貿易という仕事はあまり合わないので、勉強程度に考えていました。
もともとの経営者が中国人同士の内紛の末やめていったため、義理立てする
相手もいなくなり、とにかく早く独立しようと、10月末くらいに辞めて、
独立の準備を始めました。

当座の資金がないので海鮮の会社で運転手など肉体労働のアルバイトをしま
した。webでの展開を予定していましたから、経費は月某万程度と計画。
仕入れルートの維持のためには、あまり間をおかずに仕事をガンガン取るこ
とが肝要と考えたので、アルバイトは2ヵ月程度で終了。必要最低限の資金
程度しかなく、しかも夫婦喧嘩の仲直りのお詫びに高価な時計を買わされた
ので、資金はまた少なくなってしまいました・・・(なんのこっちゃ)

仕入れは前職のルートがありますが、前の旅行社の経営者に邪魔されないよ
うに、各ルートで挨拶を済ませて仕入れ数字を明確にしながら、速攻!2週
間でwebを作成して、2月1日に開業と相成りました。

見切り発車の要素を多く残しつつ、仕入れについてはよいとして問題は客先
です。自分では相変わらず「なんとかなる」程度に考えていました
(すぐ教訓を忘れる私)

最初は知人等から仕事をもらいつつ、営業メールもいまほど嫌がられな
い背景もあり、通信費の安くなる夜中の11時以降に相手のwebを見ながら、
せっせと営業メールを出していました。営業メールや営業FAXがそれなりに
効果があることは、他の仕事で営業かけたときに感じていたので、まだ有
効であると判断してのこと。
いまは、このやり方はもう現在は通用しないとされていますね。

見込み客が食いついてきてくれたのに獲得できないのは

商品性に問題がある
価格が合わない(または適正価格を掌握していない)
自分が商品を理解していない
お客様のニーズが理解できてないない
などがあると思います。

今回は商品も自分にとってはわかりやすくシンプル。
需要の大きさは理解していましたし、それぞれの商品性とお客様のニーズ
(多くは価格の問題ですが、他にもあります)の掌握はできるので、
顧客は獲得できると踏んでいました。

・・・・2005年の文章はここで終わっています。
昔の文章を読みかえすのは懐古のためではなく、
未来への教訓を得るため。
現在の問題も見えてきます。
これからは「なんとかなる」は通用しない。
今度の2月1日から14年目。
                        
追記1:開業は2000年です。
追記2:文中で「いまは通用しない」と書いている通り現在は営業メールは出していません。
追記3:経費の月某万程度はやはり甘く、法人税などの税金、顧問報酬、備品などの出費が発生します
また、見積もりより仕入れがかかってしまいながらも商業上そのまま取引せざる得ない等
種々想定外はあります。
追記4:もとの文章にあった「起業」という手垢のついた用語を排しました。
http://homepage3.nifty.com/kamakurakoka/