中日公民多数中毒の毒入りギョーザ事件初公判 被告が罪認め謝罪

30日午前9時(日本時間同10時)、河北省石家荘市中級人民法院(地裁)は法に基づき呂月庭被告の危険物質投入事件の初公判の審理を行った。呂被告と弁護人、石家荘市人民検察院の検察員が出廷した。2008年、中国と日本の多数の公民がこの事件に関係するギョーザを食べて中毒症状を起こした。

検察側の起訴状によると、呂被告は河北天洋食品工場で働いていた期間、賃金と福利待遇に不満で、騒ぎを起こして関心を引き、工場側に賃金・待遇を引き上げさせようと企んだ。2007年7月から8月にかけ、呂被告は仕事の立場を利用し、冷蔵庫に入り、工場が生産したギョーザに注射器で農薬のメタミドホスを注入しようとしたが未遂に終わった。同年10月から12月にかけ、呂被告は前後3回、冷蔵庫に入り、注射器を使い、6〜9箱の冷凍ギョーザにメタミドホスを注入した。

メタミドホスが注入された冷凍ギョーザが日本と河北省承徳市で販売され、日本の千葉県と兵庫県の公民9人と承徳市の公民4人が食べて中毒症状が起きた。法医学鑑定で、1人が重症、6人が軽症、6人が軽微な症状と確認された。呂被告の危険物質投入行為で、河北天洋食品工場は製品を回収し、製品および原材料を封印し、生産を全面的に停止した。

石家荘市人民検察院は次のように確認した。呂被告の危険物質投入で1人が重症となり、多数の人に軽症、軽微な中毒症状が起き、重大な財産の損失を招いた。情状が悪く、重大な結果を招いた行為は「中華人民共和国刑法」の関係規定に触れるものだ。犯罪の事実は明確で、証拠が確実かつ十分で、危険物質投入罪で被告の刑事責任を追及しなければならない。

呂被告の弁護人は次のように述べた。検察側が起訴した罪名について異議はないが、被告は正直に供述した態度が良く、犯罪の前科もなく、司法機関の事件解決に積極的に協力し、罪を悔いており、法廷は量刑について考慮すべきだ。

呂被告は法廷で罪を認め、被害者に謝罪し、自分の行為がこのような重大な結果を招くとは想像もしなかったと述べた。呂被告は罪を認め、法に従うとし、法廷に寛大な処分を求めた。

証拠開示、証拠調べ、法廷弁論、被告陳述などが行われ、午後零時ごろ、裁判長が閉廷を宣言し、後日判決を言い渡すと述べた。

同日、法廷で中国駐在日本大使館員、メディア記者および各界の人々80人余りが傍聴した。

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