7月5日(土)劇映画《胡同の理髪師》上映のお知らせ(現代中国映画上映会から)

次回の定期上映会は、7月5日(土)に、北京のフートンに生きる90歳を越える
老理髪師の日常を描いた異色作《胡同の理髪師》を上映します。

諸般の事情により今回の上映が日本最終上映となる可能性が非常に高いものと思わ
れます。この機会をお見逃しないよう是非ご覧下さい。

上映会場は文京シビックセンターの2階にあるシビックホール(小ホール)です。
皆様のご来場をお待ち申し上げております。

現代中国映画上映会 gentyuei@parkcity.ne.jp
http://www1.parkcity.ne.jp/gentyuei/

  • - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -


★★★第504回現代中国映画上映会(定期上映会)★★★
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
●上映作品:《胡同の理髪師
       2006年 山西映画制作所など 出品
       35mm/カラー/ビスタサイズ/105分/日本語字幕スーパー
       原題◎剃頭匠(The Old Barber)
       言語◎中国語(普通話)
       監督◎哈斯朝魯(ハースーチャオルー)
       脚本◎冉平(ラン・ピン)
       撮影◎海涛(ハイタオ)
       美術◎金楊(ヂン・ヤン)
       音楽◎査干(ヂャー・ガン)
       録音◎李志忠(リー・ヂーヂョン)
       主演◎靖奎(ヂン・クイ)、張耀興(ヂャン・ヤオシン)
          王洪涛(ワン・ホンタオ)、王山(ワン・シャン)
          馬景龍(マー・ヂンロン)、宋戈(ソン・グー)
●上映日時:7月5日(土) 午後6:55上映開始(開場は6:35)
●上映会場:シビックホール(小ホール=文京シビックセンター2F)
       東京メトロ丸ノ内線南北線 後楽園駅 直結
       都営地下鉄三田線大江戸線 春日駅 直結
       地図: http://www1.parkcity.ne.jp/gentyuei/civic.htm
●会 場 費:1200円(会員)、1600円(非会員=当日一般)
●入 会 金:600円(一般会員、同時入会可、有効期間1年)


 外国人に人気が高い什刹海付近の胡同(フートン)の一角に住む敬(チン)爺さんは
90歳をとっくに過ぎた老理髪師だ。昔は店を構え有名人の顧客も多かったが、今は
店を持たず予定表に従って一軒一軒お得意さんを回って髪を整える。爺さんは民国
時代からずっとこの仕事を続けている。顧客の中には寝たきりの老人もいる。しか
し、そんな老人も爺さんが髪を切り、ヒゲを剃ってやるとしゃんとしてくるから不
思議だ。
 爺さんの地区にも再開発の計画がある。調査員がやってきて家屋の面積を測って
いる。立ち退き補償のためだ。調査員は、元々あった家屋の面積が対象だから勝手
に建て増した分はダメだと言い、壁に「拆」という取り壊し予定の印を大書きし去
っていった。爺さんが近所の老人たちとするマージャンでのもっぱらの話題は知人
たちが次々と亡くなっていること。ある日、爺さんがなじみの客を訪ねるとテレビ
がつきっぱなしになっていた。何度声をかけても返事がない。ドアを開けて中に入
ると既に手遅れだった。
 地区委員が爺さんを訪ねてきた。何でも身分証が新しくなるから写真を用意して
おいて欲しいと言う。彼女は、今度のはICチップ入りで20年は使えるからと言っ
て帰って行った。20年と聞いて爺さんは苦笑するしかなかった。
 趙(ヂャオ)さんの息子が爺さんを訪ねてきた。新しいマンションに移って寝たき
りになったのに誰にも頭や顔を触らせないというので困っているというのだ。乗り
慣れない高級車に乗せられマンションに連れてこられた爺さんは、横たわる趙さん
の顔と頭を綺麗にしてやった。ほどなくして趙さんは亡くなった。
 中国の盛装である中山服をあつらえ、自分についての話をテープに録音する爺さ
ん。これだけ長く理髪師をやってきたのに他人に切ってもらったことがなかった爺
さんは、露店で営業する若手に自分の頭を任せた。明日は写真館で写真を撮るのだ。
 爺さんの息子が訪ねてきた。孫が生まれたのだ。爺さんにとってはひ孫だ。すで
に息子もリタイアしている。爺さんはベッドの下から箱を取り出し、息子に金を渡
した。
 90歳を超えた爺さんは今日も胡同で三輪車をこぎ、理髪師として働いている…。

 実際に90歳をとっくに過ぎた老理髪師・靖奎が本人役を演じるという異色の作品。
靖奎はすでに100歳を過ぎた今でも健在ということである。


※本作は、諸般の事情によりこの上映が日本最終上映になる可能性が非常に高くな
 っております。
※本作が日本で最初に映画館で公開された際の劇場用パンフレット(シナリオ収録)
 の在庫がございますのでぜひ上映会場でお買い求め下さい。1部700円です。
※作品のスチール写真などは次をご覧下さい。
http://www1.parkcity.ne.jp/gentyuei/future.htm

http://homepage3.nifty.com/kamakurakoka/