中国当局、軍事演習で12空港の25%減便要求

(読売新聞)
中国国営中央テレビなどによると、中国民用航空局は上海の虹橋、浦東を含む12空港を発着する便について、20日から8月15日までの間、航空各社にフライト数を25%減らすように要求した。「高い頻度の演習活動の影響」と説明しており、軍事演習が原因とみられる。
 対象になっている空港はほかに、南京、杭州、済南、無錫、青島、武漢など。上海の空域では22日、航空機の発着が制限され、虹橋、浦東の2空港で大量のキャンセル便が出るなど、空の足が混乱している。国内線が対象とみられ、全日空日本航空によると、日本と中国を結ぶ両社の国際便は減便を求められていないという。
時事通信
中国民用航空局が、上海、杭州浙江省)、青島(山東省)など華東・華中地域の12空港を発着する航空機について20日から8月15日まで、国内の航空会社に対してフライト数を25%削減するよう要求した。「高頻度の演習活動の影響」としており、大規模な軍事演習の実施が原因とみられる。上海、北京などの空港では22日、運航停止が相次ぎ、乗客は混乱した。21日には上海から福岡と中部国際空港に向かう予定だった計3便も欠航した。
 民用航空局消費者事務センターなどが22日、時事通信に明らかにしたほか、中国メディアも伝えた。中国ではたびたび軍事演習を理由に航空管制を敷くことがあるが、当局が具体的な削減の割合を提示し、これだけ長期間にわたり大規模な制限を行うのは極めて異例。
 中国メディアによると、上海の虹橋、浦東両空港では21〜22日昼、計199便がキャンセルとなった。北京空港ウェブサイトによれば、同空港でも22日、上海便など計42便の運航が取り消された。出発や到着の遅れも相次いでいる。
 一方、日本の航空会社に影響は出ていないが、上海の空港サイトによると、21日には上海発福岡行きの中国国際航空と東方航空、中部国際空港行きの南方航空がそれぞれ欠航になった。今回の民用航空局の指示が原因かどうかは不明。国土交通省によると、中国国際航空は今回の制限による欠航ではないと説明している。
 当局は軍事演習の内容を明らかにしていないが、東シナ海海域などで行われる可能性もある。16日付の軍機関紙・解放軍報によると、今後3カ月間にわたり南京(江蘇省)、広州、北京、済南(山東省)など6軍区が長距離ロケット砲などを使った演習を相次ぎ展開するという。また遼寧海事局は18〜25日、黄海北部などで「軍事任務を執行する」として船舶の海域進入を禁止している。
 航空便削減の指示が出された空港はこのほか、南京、無錫(江蘇省)、連雲港(同)、合肥安徽省)、済南、寧波(浙江省)、鄭州河南省)、武漢湖北省)。
 全日空広報部は「中国当局から何も言ってきていない。影響は出ておらず、通常通りに運航する予定」としている。