いざ、海壜(はいたん)島へ前編

以前本メールマガジンで連載:「激闘中国8日間(お互い再婚同士)」
Dさんが福建省の女性とご結婚されたときのレポートを
掲載させていただきましたが、そのDさんから
離れ小島を訪れたときの話をお寄せいただきました。
今回と次回、掲載させていただきます。(2004年の内容です)

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2004年9月、半年振りに福建省福清市の我が家に戻りました。
今回は2週間の滞在を予定したので、ちょっと遠出でもと考えていた
矢先の9月半ば過ぎに、同じ福清市内に在住の某会社の社長さん(我
が家の家族とは、家族同然のお付き合いをしている50代後半の男性)
に、「海に泳ぎに行こう!」と誘われました。「場所?」はと聞くと
『平潭(ぴんたん)』と言われ、早速地図で確認。『オーッ、離れ小
島!』と感激。1泊2日の予定で、いざ出発となりました。
『平潭県』とは、福州市の管轄下にある県の一つで、東シナ海に『海
壜島』を中心として大小126の島から構成されています。詳細(写
真等)につきましては、一部ですが私のHPに載せてありますので、
興味のある方はぜひご覧下さい。

1日目(いざ、出発!)

朝6時に起きて、カバンに荷物をつめ込み荷造り完了。1泊なのに、
何故こんなに荷物が・・・・
今回のメンバーは、社長,私の友人(日本人),友人の奥様(福清市
在住),妻の母,妻,私の6名。
朝食のお粥を食べ、我が家からタクシー(小さい車に5人乗り込んで)
で福清市内のバスターミナルまで、10分、5元。
到着したのは、7:55。社長は7:30から待っていたとのこと。
バスの発車時間を聞いたら、8:55。とりあえず、バスの中で待つ
ことに。
一番前の座席では、車掌さん(女性)が、野菜まんを片手に、小さな
鍋(スープ)を抱えて、朝食中。ゴミは窓から外へポイ!、う〜ん。
8:55、さあ出発と思ったら、運転手さんがいない。外で、何やら
立ち話中。そのうち、同乗しているお客さんからブーイング。15分
遅れでバスターミナルを後にしました。めざすは、カーフェリー乗り
場の『赤表』。バスは省道を快適に飛ばし、龍田鎮,港頭鎮,三山鎮,
高山鎮,東瀚鎮を通り、『赤表』に到着、50分。
ここからは、カーフェリーで、平潭県海壜島の『娘宮』まで。
ちょうど出航した後で、30分ぐらい待つとのこと。とりあえず、暇
つぶしにと、社長と妻と散歩にバスを降りる。
一体どんな船が来るのか興味津々。ところが見た船は・・・・

なんと戦時中に軍事車輌を運搬するような船ではないか。車輌の出入
り口は前後についている。操舵室も中央にあり、前後同じ構造になっ
ている。
いちいち方向転換しなくてもすむ。車輌は乗れても十数台。勿論、船
内に椅子も何もない。車の無い人はそのへんの手すりにつかまって立
っているしかないです。
船が到着して、先に乗ってきた車を降ろし、我々はバスごと乗船。
乗れない車を後に我々の船は出航。途中、平潭からの同じ船とすれ違う。
バスの中にいても暇なので、社長と船内見学。と言っても、何も無い。
操舵室は出入り自由で見学。と、その時、突然の大雨。慌てて社長と
バスに戻りました。バスの中からは、周りは何も見えず、見えるのは
窓に打ち付ける大粒の雨。妻が「あ〜あ、雨。や〜ね!」と日本語で
ため息。
「大丈夫、大丈夫、私晴れ男。私、太陽友達だから。」と なだめて
いるうちに『娘宮』に到着。
『赤表』から『娘宮』は通常15分ぐらいだが、大雨の中の航海と
いうこともあり25分ぐらいかかりました。

『娘宮』に到着してから、バスは終点の平潭バスターミナルへ
。先日の台風の影響でいたる所で発生した小さな落石,土砂崩れを
避けながら、15分で到着。
車とホテルは平潭県に在住の友人(社長の友人)に手配済み。
2台の車が到着して、ホテルへ直行。ホテルは平潭県の中心地の
潭城鎮にあります。ホテルに到着してから荷物を置いてまずは小休止。
暫くして、社長の友人がホテルに到着。ちょうど、時間もお昼。
昼食メニューは社長の友人に任せて、とりあえずは食堂へ。
とりたての烏賊,海老,魚と次々にテーブルに並べられ、見ている
だけで満腹感。さあ、食事開始。青島ビール呑みながら、満足満足。
仕上げは、海鮮(小粒の牡蠣・・・)たっぷりの炒麺でした。
「さあ、どうしようか?」と思って窓を見ると、先ほどの大雨は嘘
のように快晴。
「ナオクン(福清市での妻が旦那さんを呼ぶときの言葉)、ほんと、
太陽友達ね!」と大喜び。
社長が「海、海」と叫び、いよいよ東シナ海での初泳ぎに挑戦する
ことに。

ホテルから車で10分。着いたところは、『龍鳳頭海濱』。
やはり午前中の雨で、まだ誰もいない。1件の『海の家』がお店を
開ける準備をしていた。
9月半ば過ぎだが、日差しは強い。30度近く感じる。
早速、海の家へ行き着替え開始。妻と友人の奥様は海が初めてとの
こと。社長と妻の母はビーチパラソルの下で椅子に座って、のんび
り休養。引き潮が重なり、水辺まで100m近く歩く。
さあ、と思って足を入れてみると、水温は暖かい。
妻と友人の奥様は、浮き輪を借りて初挑戦。海の中を歩けど、泳げ
そうな水深まで達せない。
遠浅とのことだが、50mぐらい沖へ進んでやっと胸の深さ。
結構波も高く凄く楽しい。そのうち、一人の変なオヤジさんが我々
の周りで泳ぎ始める。最初は凄い不気味。時たま妻と会話をしてい
る。そのうち、私がもっと沖まで泳ぎ始めたら、「もぎゃん!ばか!
あほ!」中国語と日本語を混じえて妻が叫んでいる。危ないから
戻って来いとの事だが、それでも水深は肩ぐらい。その時、私の
そばに先ほどの変なオヤジがいるではないか。
別の方角へ行こうしたら、「そっちは駄目!」というような話を
してきた。
一体、何者?

(つづく)

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