天津市濱海新区における爆発事故による影響について(お知らせ)2015年8月19日在中国日本国大使館

8月12日深夜に発生した天津市濱海新区の危険化学品倉庫の火災・爆発事故について、以下の通りお知らせします。

○事故現場付近は、警戒区域が設けられており立ち入りができない状況が続いています(事故現場より概ね3kmで警戒線が引かれている)。ただし、記者会見において中国の専門家は、爆風により警戒区域外にも化学物質が飛ばされている可能性があり、そのような物資には触れない、水をかけない等の注意が必要であると指摘しています。

○一部報道では、当局者の話として「シアン化ナトリウムと神経ガスという二つの有毒物質の値が最高値に達した」旨報道されています(当館より天津市関係部局に確認したところ、同数値はあくまでも警戒区域内の数値である旨の回答がありました。)。また、報道された当局者の話によれば、現場に残されていたとされる700トンのシアン化ナトリウムは既に各地に輸送済みのとのことです。

○事故現場付近の環境の影響については、天津市環境保護局が18日までに発表した内容をまとめましたので、参考にしてください。

○なお、天津市当局の当館への説明によれば、現場は天津市の中心から約40Km離れており天津市中心市街においては、日常生活に大きな影響は出ていないということです。


(参考)
天津市環境保護局が8月18日までに公表した環境影響及び対策に関する情報は以下の通りです。当局発表の理解の一助となるよう、参考までにお知らせします。

天津市環境保護局による環境監測結果
(1)環境汚染の監測体制について(17日発表)
 中国環境当局は事故発生後、17カ所の空気監測地点、6カ所の廃水監測地点、4カ所の水環境監測点、4カ所の海水監測点を設け、加えて16日に27カ所の廃水監測地点を新増設、24時間の監視を継続。

(2)水質環境について(17日発表)
○16日0-24時に現場にて64の水質サンプルを採取、事故後から設けている6カ所の廃水監測地点のうち警戒区内にある2カ所で、シアン化合物が天津市排水基準等の1.25倍及び2.20倍検出され、他の4カ所は未検出。
○16日に新増設した27カ所の廃水監測地点(警戒区内14カ所、警戒区外13カ所)のうち17カ所でシアン化合物を検出、うち警戒区内にある3カ所で天津市排水2級基準等を超過、爆発地点に最も近い場所が最大の超過で基準の27.4倍、他2カ所は4.37倍及び0.96倍検出された。警戒区域外の13カ所では3カ所でシアン化合物が検出されたが、それぞれ排水基準の12%、7%、5%であり、基準を下回る。

(3)事故関連の大気汚染物質について
○16日、環境保護部門は現場で420の空気サンプルを採取。前日の観測結果に基づき、監測対象の事故関連汚染物質としてトルエン、シアン化水素(青酸ガス)、揮発性有機化合物(VOCs)を特定した上で監測。監測結果は、警戒区域外の移動観測車と7カ所の監測地点において、これらの汚染物質は未検出。またこれまで、17カ所の空気監測地点のうち、東疆港の8号観測地点にて、シアン化水素の基準超過が累計1回のみ監測された。(17日発表)
○18日10〜12時、警戒区域外の8カ所の観測地点において、0.004mg/m3以下のシアン化水素が検出されたが、大気汚染物総合排出基準より低い(10カ所において未検出)。また、同様に警戒区域外の2カ所において0.055 mg/m3以下のVOCsが検出されたが、天津市排出規制基準よりも低い(16カ所において未検出)。これらは短期接触するのみでは人体に明らかな影響は無い。(18日発表)
○16日から18日まで、常時監視対象の6つの大気汚染物質(PM2.5、PM10、NOx、SOx、CO、O3)について、警戒区域外の監測点と、区域周辺の5つの大気環境常時監視ステーションにおいて、2級(良)から3級(軽度汚染)の水準。(当館注:ただし、これら大気汚染物質の水準と事故関連汚染物質との間に関連性は認められていない。)

(4)海洋環境について(16日発表)
 15日、国家海洋局が事故現場付近の海洋を観測。13カ所において194のサンプルを検査した結果、PH値、溶存酸素、COD、油類、活性リン酸塩、硫化物、有機炭、多環芳香族炭化水素等の指標について、暦年の同時期と比して、異常は無し。シアン化合物やVOCsは未検出。

2シアン化合物による汚染水対策(18日発表)
(1)事故区域の雨水や汚水、外部への排水の全てにつき、セメントによる封鎖は完了。区域内の汚染水の外部への流出を防止。
(2)事故区域周辺を堰で囲み、外界と遮断することにより、雨水の事故区域外への流出を防止。
(3)事故区域外の雨水、汚水管内の排水及び消防廃水の全てについて、新しく設置する応急廃水装置を用い、強酸化等の方式によりシアン化合物を分解処理した後に、天津港にある汚水処理場にて処理。
(4)同処理場にて処理した水を再度入念に処理することにより、二重の処理を実施。
(5)隔離区域内の窪地等に溜まっている高濃度汚染された地表水については、コンテナ車を用いて、危険廃棄物処理機構に輸送し、専門的な処理を行う。

※なお、天津市環境保護局による環境監測結果等は同局HPにて、現在2時間毎に更新されています。
○環境監測結果: http://www.tjhb.gov.cn/news/news_important/
○監測地点分布図の掲載: http://www.tjhb.gov.cn/news/news_headtitle/
○現時点での監測地点分布図はこちらです↓
(水質監測) http://www.tjhb.gov.cn/news/news_headtitle/201508/t20150818_16726.html
(空気監測) http://www.tjhb.gov.cn/news/news_headtitle/201508/t20150818_16725.html


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