以前漢方の商社で6年ほど勤めていました。

現代中国医学に基づく漢方薬を扱っていて、 (中医学中国医学の研修をする研究会を各地で組織、 そこに所属する薬局のみに輸入した中成薬(中国の漢方薬)を卸すというやり方をとっていました。
所属に関しては研究会の承認が必要なのですが事実上テリトリー制となっています。 (これが不公正な競争に当たるかどうかについては、会社の役員が公取委に出向いて「該当しない」という見解を得ています) 私は主に国内営業で各地の薬局のルートセールスや研修会等の実施などの業務をしたり、時々、北京研修アテンドもあるのでそれが私自身のモチベーションになっていました テリトリー制なので、いい店があったと思って研究会に諮っても 近隣店承認というのが主な障壁で入会がかなわず、取引を始めることができないことがままありました。 取引先の薬局はパパママがほとんど。 ドラッグストアの新規入会申請があると毛嫌いする人が多かったのです。 ドラッグストアといっても、地域ではもともと代々薬局だった店です。 若い後継者が「このままではジリ貧」「パパママではなく拡大を」と危機感やら拡大への夢からで業態転換をする例が多いのです。 ドラッグストアの申請を許可すると支店への横流し(自社内で融通するということなので横流しいう表現は必ずしも正しくありませんが)などもあるし、 価格が守れるかという懸念もあるし 販売力も有るので既存店への影響もあります。 小さい既存店は自分たちが勉強して推奨販売し共通利益を守っているというのに、 利便性に勝る大型店に根こそぎ奪われるということになれば推奨意欲をなくしてしまう可能性があり、会社としても気を遣うところです。
私は入社当時は以上のような業態に少々ギモンは持っていたものの(そのころまで小売業に接したことがなかった)、 だんだん、日本の商慣習や小売業心理に沿った合理的取引形態という面がある、と納得するようになってきました。 勉強会があれば大手を振って出かけることができますから世界が広がるし、 会社としても輸入量の予測ができますし、種々メリットがあります。 ただ大状況が変われば崩壊する可能性もあると関係する誰もが思っていました。 その後会社は離れましたが当時の取引先の一部とは細々とやりとりをしていて、 最近の状況については疎くなってしまっていますが関心は持っています。
2009年6月施行予定の薬事法改正で医薬品ネット販売に規制が入るようになるとのこと。 かつての取引先もネット販売しているところもあります。 ネット販売の割合が増大しているようなら痛いことでしょう。 パパママ程度の規模なら細々と販売しているだけでも生活の足しにはなるでしょうから。 地域のドラッグストアの経営者たちが医薬品のネット販売に反対なのか賛成なのかは知りません。 時代の変化は彼らをも海の小舟にしてしまいます。 とにかく商売は大状況の変化に翻弄されながらも 工夫して営み続けなければならないものであることは確かなようですネ
(昼間、つれづれにごく短時間で書いたものなので機会があればまたふれたいと思います)
参考
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090202-00000107-zdn_n...
医薬品通販、継続を求める署名が30万件に
http://homepage3.nifty.com/kamakurakoka/