住まい編

さて、またマンション話題で恐縮だが、続けさせていただこう。
間取りは入ってすぐにキッチン、部屋が2つとサンルーム(ベランダ)、
そして狭ーいリビング、全部で70〜80?くらいの広さである。
入り口のドアは鉄製の防犯ドアと、普通の木製のドアの2枚。
鍵も2重でかかるのだが、この鍵がクセモノだったのだ。
少し前までハウスメイト(日本人女性)と住んでいたのだが、
引っ越してすぐの事、私は外側から鍵をかけて出勤したら、
彼女から電話があり、中から鍵が開けられない言う。
どうやら、私は彼女を軟禁してしまったらしい。
当然、中でかけると外から開かない、軟禁も篭城もオッケーである。
そんなのアリ?と思うが、実際にそうなのだ。
壊れているかと思っていたが、その後、彼女は上海の友人の家で
やはり同じように軟禁されたらしい。
どうやら、こういったドアは中国人の住まいではスタンダードのようだ。
何のためにそんな構造になっているのか、本当にナゾである。
ここは、ごく普通のマンションなので生命保険の勧誘やセールスもくる。
当初は前住人の友人がいきなりやって来たりもした。
帰国したことを知らされていないあたり、本当に友達だった?
と思うが、本人がそう言うから、きっと友達なのだろう。
親愛なるハウスメイトは南方で就職が決まって引っ越したので、
一人で支払うと、家賃と光熱費でサラリーの半分近くが飛んでしまう。
決して安くはないが、立地や住み心地を考えたら、妥当なところだろう。
ちなみに、私の前の住人はアメリカ人の大学教授だったそうだ。
ドイツに5年留学していたという王さんは、外国人好きのようで、
外国人にしか貸さないと言っていた。
また、中国では、大家さんが電話契約をしているケースが多く、
その場合は住人が変わっても電話番号は変わらない。
一度、その教授の友達で、自称画家で哲学者兼作曲家と名乗る
若そうな中国人男性から電話がきて、その人はもういないと言ったら、
「じゃあ僕と友達になろう。怪しい者じゃない、僕の曲を聴いてくれ」と、
自作の音楽を電話口で延々と聞かされた上に、感想まで求められた。
「おーい、余計に怪しいねん・・」と思ったのは言うまでもない。
しかし、相手はここの住所を知っているだけに、ただの間違い電話より
よっぽどタチが悪いのである。
水道は日本と同じようにメーター式で、ガスと電気はプリペイドカード式である。
電気は残り度数が表示されないので、うっかりしていると恐ろしく不便を強いられる
羽目になるのだが、残り度数が30度とか10度を切ると、ブレーカーが落ちて
知らせてくれる仕組みになっている。
何もそんな荒業に出なくても、普段から度数が表示すれば良いと思うのだが、
なんせ”ここは中国”、何でもアリなのだ。
↑これは中国ライフでの許容範囲がぐーんと広がる呪文?である。
先月、銀行で電気を買い、メーターにカードを指したら度数がカウントされない。
再び銀行に行き、「入ってなかった」と言うと、そんな筈はない!と、
やけに強気に出られたので、また買い直したが、それでもダメ。
カードの問題かと思い、ガスメーター会社で交換してもらおうとしたら、
なんと、銀行側のミスでカウントされていなかったらしい。
中国の銀行、恐るべし!
先日、個人の口座に銀行のミスで10万元?ほど、振り込まれていた、
銀行側も元々、誰のお金だったのか分からずに、現在、調査中・・・
というニュースをやっていた。
まったく、銀行も信用ならないなんて、この国は一体どうなっているんだろう・・。
合法外エリアに住むには、もちろん、それなりのリスクを負う。
友人の友人が某大学付近の普通のアパートに引っ越した時の話だが、
家賃として6か月分支払い、引っ越して1週間で公安に踏み込まれたそうだ。
彼女は強制的に引越しをさせられたが、もちろん家賃は戻ってこない。
これは、家主と公安がグルになっている悪質な手口だが、
違法行為をしているだけに、泣き寝入りするしかないのである。
やはり個人で探すよりも、信頼のおける?不動産屋を通した方が安全だろう。
                       (すまい編おわり)