初日(2002/09/07)

そもそものはじまりは中央電視台で放映された某連続テレビドラマ。そこに出てくる雪山があまりにもきれいで、ごくごく単純に「行ってみたい!」と思ったのでした。はてさてあの風景はどこなのかしら?ドラマの最後に"香格里拉…迪慶藏族自治州…麗江…"という文字がありました。
麗江はすでに日本でも有名ですが、チベット自治区四川省に接する迪慶チベット族自治州はいま中国で最も注目されているところ、観光地として開発が進められていると聞いて、これは早いところ行っておかなければと思い、一人旅の決心をしたのは今年の5月のことでした。9月の連休を使った九日間の日程で、休暇はスムースにとれたものの、"好事魔多し"と言う如く、国際線、国内線とも空席の取得に難航しながら、出発予定日のほぼ三週間前にようやく最終スケジュールが決まり、ひたすら"待つ"というこの期間、本人の覚悟もできあがって、これでめでたし準備も万端…。
と思いきや、出発を明日に控えた9月6日の天気予報を見てびっくり!沖縄で暴れまくった台風16号の予想進路が中国大陸へ、さらに上陸してそのまま南下するらしい…。お天気は大丈夫なのでしょうか?
明けて9月7日、台風を追っかけ、また追っかけられるかっこうで、昆明直行のJAS JD897便は定刻をやや遅れて午後12時10分、成田を飛び立ちました。
チェックイン・カウンターで「現地の天候如何によっては引き返すこともあるので免税品を買っても開封しないように」と言われて気分も落ち込み気味でしたが、厚い雲に覆われた上海上空を過ぎて、武漢上空にさしかかる頃には、眼下に黄色い帯のような長江とそこにかかる長江大橋がはっきり見えるほどに晴れ上がっていました。昆明が近づくと再び雲の中に入りましたが、機内アナウンスでは"現地の天候は良好"とのこと、「これで旅が始められる」と、ほっとすると同時にわくわくしてきました。
昆明国際空港に着陸したのは定刻より早い午後4時。明日は麗江行きの早朝便なので、そのまま空港向かいの観光酒店に泊まることに。ホテルの隣には中国銀行があり、長蛇の列の空港内銀行窓口に比べこちらはがら空きです。空港出口と同様にタクシーの客引き場にもなっていますが、それを振り切り、旅行社の者と名乗る女の子に付きまとわれながら観光酒店のフロントへ。
三ツ星ホテルなので一泊200元以上は覚悟していましたが、標準間(スタンダードルーム)は"今日房価"(今日の室料)ボードに記載されている規定料金の200元以外にも180、150、130と各種、それも旅行社の紹介があれば安くするというので、ついてきた彼女を紹介者としてちゃっかり120元でチェックインしました。
これではあまりに安すぎるので設備を心配したのですが、洗面台も水周りもきれいで、お湯もコルク栓ポットではなくちゃんと湯沸し装置がついていて、設備はちゃんと三ツ星クラスでした。フロントの応対も親切でとても感じよかったです。その日はゆっくり休むつもりでしたが、午後5時を回ってもまだまだ陽が高いので、市内へ出て夕食をとることにし、とりあえずタクシーを拾って市内中心部の百貨大楼へ向かいました。昆明は空港から市内まで比較的近く、5分もかからずに市内に入ってしまいます。百貨大楼まではタクシーで15〜16元ほど、渋滞していなければ10分くらい。バスなら近日公園で下車です。
百貨大楼のある中心部には他にも百盛(Parkson)など大型テナント店がありました。今年オープンしたばかりの百貨大楼新館は高級化粧品や宝飾品のテナントがほとんどで、食品や生活用品は従来の旧館にあります。ここでは旅の必需品"黄蓮素"(お腹の特効薬 3.5元/瓶)を買いました。
近代的なビルが立ち並ぶ裏通りをちょっと入ればそこは回族の生活空間。通りには端から端まで野菜。果物、生活雑貨を売る露店が並び、また別の通りを入れば、歴史を感じさせる二階建て木造家屋が軒を連ね、解体された羊がぶら下がっていたり、小さな食堂は夕食をとる人たちで大賑わい。羊肉の串焼きもいいですが、ここに来たからには、やはり"過橋米線"を食べたいもの。回民街を抜けるとロータリーに面して雲南名菜レストランが立ち並んでいます。その中の"老?味"というお店に入りました。
"過橋米線"は8元から20、30、40元と各種。高いものほど副菜が多くつくらしく、40元のものには雲南の味すべてが入っているそうです。すすめられるままにそれを注文。最初に、真ん中が漏斗をさかさまにしたようになっている小さな土鍋に
入ったスープ(これは美味!)、酒の肴らしき小皿料理8品、これにビールでもう十分という感じですが、さらにスープの入った大碗、メインの米線、その上、むき蝦やら牛・ブタの内臓らしきもの、ハム、菜っ葉など中皿で6品、これらを先ほどのスープにどぼどぼと入れ、半煮えになったくらいが食べごろ。もちろん食べきれるわけもなく、半分以上残してしまいました。もったいない…。
その夜、飲みすぎと食べすぎがたたったみたいで、床についてから胃がむかむか…。こんなとき買っておいた"黄蓮素"を一粒。この薬、実は下痢止めの特効薬なんですが胃腸薬としてもイケるんですね。
さて、明日はいよいよ麗江です。
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