雲南香格里拉 旅行記
珠玲さん(筆名)による中国:雲南旅行記。珠玲さんは中国の,特にチベットに深い関心をお持ちです。開業当時、中国関係のホームページを開いている方に営業メールを出していたのですが、反応してくださいました。2000年の話ですので、そんなやり方で多くの…
3Q4988便は40分遅れて8時50分に小雨ぱらつく薄霧の中、香格里拉を離陸、 通常なら昆明まで50分足らずですが、大気の状態でしょうか、まるまる一時間 かかって9時50分に昆明国際空港に着陸しました。一時間近い遅れが出たとはいえ、帰国便のチェックインまで…
香格里拉(シャングリラ)滞在六日目のきょうはいよいよ帰国の日です。 早朝6時前に起床すると外はまだ真っ暗。陳さんにいただいたクラッカーと昨日 買ったバナナを朝食代わりにし、テレビを見ながら身支度を済ませると、 ちょうどフロントからタシさん到着…
午後1時、中継地の奔子欄(ベンズラン)に到着。普段めったに食べられない例の 魚料理を注文、中国の習慣に従ってこんどはわたしがご馳走する番です。 昨日と同様、まだ中学生くらいの女の子が笑顔できびきびと立ち働いていました。 「学校はお休みなの?」…
朝まだ暗い6時前、陳さんとわたしはすでに起き出して、 "お山"の前にじっとたたずんで待っていました。 さすがに明け方の冷気は身に染みます。 空が白み始め、民宿の裏手の空が明るくなると、しだいに手前の山がはっきりと 現れてきました。が、その背後は雲…
部屋番がおかみさんなら飯炊きはおやじさんの仕事、 今晩のおかずはさっきまで道端を駆け回っていたニワトリ。 トリ小屋では哀れ運の悪い一羽が末期の悲鳴…。外はすでに真っ暗、梅里雪山の輪郭がぼんやりと黒く見えます。 「一つ、二つ…」 と陳さん、どうや…
黄昏の空にかかった三日月が白く冴えはじめる頃、 ようやく今晩の宿泊地である観景台に到着しました。時計を見ればすでに午後8時、 明永からここまで一時間半近くかかったことになります。宿はその名も"望峰楼"、地元のチベット族の一家が経営する民宿で、看…
梅里雪山を間近に臨む"観景台"の仏塔を通り過ぎると、 車はいく度もカーブを描きながらしだいに崖下の谷に向かって下りて行きます。 V字型に深く切れ込んだ谷底にはメコン河の源流瀾滄江がうねり、 上を見上げればカワ・カルポ峰がはるかに高く聳えるという…
屏風のような岩山がそそりたつ海抜4,292メートル地点を越えると道は一気に下り坂に。 このあたりの道路はすでにきれいに舗装され、周囲の景色にも緑が増えはじめるとやがて 左手に雪山らしきものが見えてきました。 「タシさん、あれ太子十三峰じゃない?」 …
天葬台を過ぎて15分ほど、道路の右手やや下方に一群の建物が見えてきました。 奔子欄から一時間、最初の参観地"東竹林寺"(トントゥプリン・ゴンパ)に到着です。 なだらかな斜面にはベンガラ色の壁を持つひと際大きな本殿、 それをとり囲むように白壁の僧坊…
食堂はタシさん行きつけのところ、みな顔なじみです。 このあたりの名菜といえば金沙江で捕れる"ジャオユィ"という川魚をハムや豆腐、 ネギなどといっしょに白湯(パイタン)スープで煮込んだもの。店には生簀があり、 臭みのない新鮮な白身の肉は蛋白でとて…
「ところであんた何歳(いくつ)だい?」 とタシさん、さっそく挨拶代わりの質問。 「日本人女性にそういうこと聞くのは失礼なのよ」 と軽く交わして、逆に質問する側に。 「タシさんはお子さん何人?」 「うちは男の子二人さ、一人はもう高校生だよ」 「え…
早いもので雲南に来てからきょうで一週間、明後日はもう帰国です。 その前になんとしてもシャングリラの真骨頂を体験しておかなくては…、 まさにそのためにこそここまで来たのですから。8時の出発に備えてやや早く起きたのですが、 さすがに旅の疲れがたまっ…
山を下りて永生飯店のある通りの入り口にある喫茶店でひと息入れてから、徒歩で 街まで戻る途中、チベット風近代建築ともいうべき新華書店で"香格里拉"の名の 由来となったジェームズ・ヒルトンの小説"Lost Horizen"の最新訳『消失的地平 線』(海天出版社)…
まだまだ街へ戻るには早い時間なので、もう一度古城へ戻り、そこからこのまち いちばんの高いところにある"北鶏寺"を目指すことにしました。午前中に上った "大亀山"からも望める小山の頂上にあるチベット仏教のお寺です。 ミネラルウォーターのペットボトル…
"中甸"―実はここは一部の日本人にとってはたいへん馴染深いところ。 わたしも旅の前に"香格里拉(シャングリラ)特集"として放映されたテレビ番 組ではじめて知ったのですが、かの高級食材が採れるおかげで "マツタケ御殿" を建てた人たちもいるとか。しかし…
何の予定もないというのは気楽なもの、無理して早起きする必要もないので、 さてもうひと寝入り…、と思ったところがいきなり耳元で電話の音。 「朝食の時間です!」 時計を見ればもう8時。ご親切にも服務台からの呼び出しに、とろとろ身支度 して本館の食堂…
本日のツアー最後の訪問先は"納【巾白】海"(ナーパーハイ)。 実はこの湖、夏の雨季の間だけのもの、乾期に入るとしだいに水が引いて広大 な草原となるのです。その名も"伊拉草原"、"伊拉(イーラー)"とは土地のこ とばで"広大な"という意味。そこに水がた…
碧塔海を出たのはもうお昼近く、山を下りながら"広州ギャル軍団"がチベットの歌を中国語で披露、なぜかわたしもご指名を受けて"さくら"など歌ってしまいました。"車内オケなし喉自慢"になるかと思ったら、みなさんお腹が空いて元気がないのか、残念ながらそ…
街並みを見る限りではおよそ浮かばない"香格里拉"のイメージ、麗江に比べるとまるっきり殺風景な印象ですが、ここを起点に"桃源郷"の大自然を味わえるいくつかのスポットがあります。これから行く"碧塔海"(ビーターハイ)もその一つ、"海"というのは"湖"の…
換金の次は15日に昆明まで戻る便のリコンファーム、そして明日の郊外一日観光に申し込み…と、やっておくべきことはけっこうあります。ホテルが集中する十字路でミニバスを下り、雲南航空直営の迪慶観光酒店に隣接するチケットオフィスへ。ここで日本で購入し…
バスはいったん市の南へ出てから北へと向かいます。朝早ければ玉龍雪山も望める見通しのきく道―これが"dian藏公路"、遥かチベットのラサまで続くかつての"茶馬古道"です。途中給油のためガソリンスタンドへ。近代的な設備に見とれていると、「ワッ!」という…
二日間滞在した麗江をあとにして、きょうはいよいよ迪慶(デチェン)チベット族自治州へ向かいます。麗江から北北西へ約130キロ、バスで五時間の "中甸"(ヂョンディエン)は今年の5月5日、正式に"香格里拉"(シャングリラ)と改名しましたが、地元ではまだ…
玉峰寺へと続く一本道の袂にはトンパの祭祀を見せる"東巴神園"と渓流の景観を楽しむ"玉水寨"といった観光スポットが隣り合っています。お寺へは車でも直接行けそうですが、和さんはなぜかここで車を停め、ここからは徒歩で行くことに…、お寺に対する尊敬なの…
しばらく上ると周囲にヒゲのようなものを枝にぶら下げた樹木が現われはじめました。このヒゲは"樹胡子"(文字通り"木のヒゲ")といって海抜3,500メートル前後で見ることができるもの。マオ牛坪の頂上までもう一息です。麓から約40分、ようやくたどりついた頂…
麗江滞在二日目の朝、カーテン越しの空はうっすらと明るく、玉龍雪山を見るには相応しいお天気が期待できそうです。このあたりは標高があるので朝晩は寒いくらい、おまけに昨晩ぬるめのシャワーを浴びて風邪をひいたらしく鼻水がとまりません。しかもきょう…
すでに3時すぎ、木府の門脇にある王府客桟の食堂で遅い昼食をとりました。ここでようやく麗江名物"バーバ"(漢字では"米巴"を重ねる)と"雑鍋湯"というスープにありつきました。"バーバ"はナシ族の主食、甘いのと塩味の二種あり、油っこいですがサクッとした…
明けて8日の日曜日、雲は昨日に増して厚く空を覆っています。国内線は一時間前にチェックインするのが目安ですが、8時25分離陸予定の麗江往き雲南航空 3Q4417便のチェックインはすでに6時50分から始まっていました。出発ロビーのある2Fへ上がってみれば、国…
そもそものはじまりは中央電視台で放映された某連続テレビドラマ。そこに出てくる雪山があまりにもきれいで、ごくごく単純に「行ってみたい!」と思ったのでした。はてさてあの風景はどこなのかしら?ドラマの最後に"香格里拉…迪慶藏族自治州…麗江…"という文…