京浜急行の想い出

10歳くらいだったか、駅から1キロほど歩いたところにある久良岐公園へひとりで釣りをするため、
近所の中学生に作ってもらった薄の幹と釣り糸をつなげただけの釣具をもって、 京急の向こう側へ渡ろうとしたときのこと。
向こう側にはえさのアカムシを売っている露店があるのです。
いつもだと踏み切りを渡るか、土手(当時は高架化されておらず土手のうえに線路を敷設)をくりぬいたトンネルを通るかするのですが、 その日は、線路を渡ってみたくなりました。 で、土手を登り線路に入り込んだときのこと。
近くの上大岡駅から特急電車が出てきました。
私は渡ろうかどうか考えましたが 線路脇で見送るという選択をし、そこに佇んでいました。
すると電車はキキキーッと止まるではありませんか (当たり前だ)
そしてなんと運転士が「コラーーー」とがなりながら降りてくるではありませんか!
逃げろ。
あわてて土手を降りると、運転士も土手を降りてきました。
やばい。
「オアラー待てーーー」
釣具を運転士に投げつけて、あわてて走る。
当時は、上大岡のあたりも細い路地が多かったので、 露店の間をすり抜け、 ジグザグ走って、逃げました。
気がつくと、久良岐公園の前にいました。
あれ?釣具がありません。
どこでなくしたか思い出すのに時間がかかりました。
そうか・・
でも、まだ運転士がいるかもと思うと(そんなわけないけど)
戻って拾ってくる勇気はわかず、
しばらく池でぼうっとしたあと、 バスで上大岡駅までいって(そのバスも京急。ウチまで帰るバスも京急
人目を忍んでそそくさと家に帰りました。
(35年前のコドモ時代の話なのでご容赦を)
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