12月11日(土)劇場未公開作《訒小平》上映のお知らせ

現代中国映画上映会です。次回の定期上映会は、12月11日(土)に、改革開放の立役者となった政治家である訒小平文化大革命後の姿を描いた大作《訒小平》を上映します。日本では劇場未公開となっています(映画祭などの特別上映を除く)。この機会をお見逃しなくご覧下さい
上映会場は文京シビックセンターの2階にあるシビックホール(小ホール)です。皆様のご来場をお待ち申し上げております。
現代中国映画上映会 gentyuei@parkcity.ne.jp
http://www1.parkcity.ne.jp/gentyuei/
●上映日時:12月11日(土) 午後6:55上映開始(開場は6:35)
●上映会場:文京シビックホール(小ホール)
          (文京区役所がある文京シビックセンター2F)
       東京メトロ丸ノ内線南北線 後楽園駅 直結
       都営地下鉄三田線大江戸線 春日駅 直結
       地図: http://www1.parkcity.ne.jp/gentyuei/civic.htm
●会 場 費:1200円(会員)、1600円(非会員)
●入 会 金:600円(一般会員、同時入会可、有効期間1年)

 1976年、丸10年にわたり中国を混乱に陥れた"文化大革命"が終結した。政治的失脚状態にあった訒小平は中国南方でこのニュースを聞いた。しばらくして復職した彼は、危機に陥っている中国を救うべく立ち上がった。彼は、"4つの近代化"を実現するため、教育界から手を付けた。全国各地に眠る優秀な人材を集めるため大学入試を復活させた。優秀な青年たちがこれに応えた。復活後の統一入試は後世に語り継がれるものとなった。
 政治的教訓から前に出ることをためらう人が多くいる現状を打破すべく、訒小平は"実事求是"というスローガンを発表した。実践こそが真理を確かめる唯一の方法だと説いたのだ。中国共産党内に反発が強かったが、ついに1978年末、"改革開放"政策が決まった。一方で、文革で犠牲になった人たちの名誉回復が次々に行われ、追放されていた人たちは元の職場に復帰し、下放されていた青年たちは親元へ帰ることができた。
 文革期に注目を浴びた大慶油田を視察した訒小平は現場の労働者の賃金が能力に無関係なことを知り、給与改革に乗り出した。人々からやる気を引き出す手段が軽視されていたのを正したのだ。疲弊した農村では人民公社を廃して生産請負制が始まり、目覚ましい成果をあげ始めた。彼は言った。「貧乏は社会主義ではない、人々が豊かになってこそ国家も強大になれる」。
 訒小平は日本各地を視察し、家電メーカーや自動車工場、製鉄所などを自分の目で見、その発展を実感した。アメリカでは飛行機工場や宇宙センターなどを見学し、世界と中国との差を思い知ることになった。
 1981年には毛沢東の革命を総括する"歴史決議"が採択され、社会主義の下で市場経済を発展させる基盤が整った。各地に経済特区が作られ、そのモデル地区になった深圳は小さな漁村からビルが建ち並ぶ巨大都市へと変貌した。
 訒小平は厳しい交渉の後、1984年には香港返還問題を解決させ、1997年7月1日の全面返還が決まった。1999年のマカオ返還も決まった。株式市場も開設され、ブームが巻き起こった。
 経済発展を確認し、1989年には隠居生活に入った訒小平だったが、"六・四事件"の影響から発展が一時的にスローダウンしたのを感じ取った訒小平は、1992年の春、列車に乗って中国南方を視察した。その行程で出された"南巡講話"により中国の経済発展は勢いを取り戻し、急速な回復を始めた。そして、中国は"世界の工場"といわれるまでに発展した。
 香港返還が間近に迫った1997年2月19日、訒小平は93年の生涯を閉じた。
 今や"世界の工場"から"世界の市場"となり、世界経済の中で重要な位置を占めるまでに成長を遂げた中国経済。毎年10%近くの成長を続け、不況に喘ぐ各国を尻目にダントツの成長力を見せている。その原動力の基礎を作ったのが他ならぬ訒小平である。彼は解放戦争では卓越した戦術で国民党軍を苦しめ、建国後は経済面で新中国の成長に尽力した。訒小平は毛澤東の世代に続く“第二代指導者”の代表的人物である。
注:本作は実在の人物に似たそっくりさんが出演する劇映画です。ドキュメンタリー作品ではありません。日本で公開されたことがある似た題名の《ニーハオ訒小平》はドキュメンタリで作品で、本作とは別の作品です。