UA(2001年5月)

今回は「マーケッターのタマゴ」さんが飛行機の遅延に遭遇したときの体験記です。マーケッターのタマゴさんはゴールデンウイークに米国に行きました(以下)。

今回のシアトル旅行で、機内でスターバックス・コーヒーを出すから!という理由で選んだユナイテッド・エアラインですが、図らずもユナイテッドの危機管理対応と顧客満足に触れることが出来ました。
5月5日(土)シアトル時間午前8時
楽しかったゴールデンウイークも終わりを迎え、空港へ向かいました。かなり早めにチェックインし、あとは飛行機に乗るだけのはずでしたが、まもなく表示が「4時間遅れ」となっていることに気付きました。UAの地上スタッフが、日本の雑誌や新聞を大量に配ってくれました。それを読んで時間をつぶすことにしました。
まあ、通常の遅れの範囲、とあきらめていましたが、どうやら事態は深刻になってきました。UAのデスクより放送があり、「飛行機のコックピット部分の破損したフロントガラスを交換している。特殊な接着剤で接着しているところだが、雨が降ったり止んだりしているため、思うように乾燥しない。完全に接着し、検査したら飛びます」とのことでした。ただ、問題なのが、成田空港に進入する時間に制限があるため、シアトル現地時間午後7時頃までに接着が完了しなければ、明日の出発になってしまうとのこと。明日、、、になると、月曜日から会社なのに行けなくなると、乗客はざわめきました。
昼過ぎから、ユナイテッドは、搭乗券を提示することで空港内のレストランで一人7ドル50セントまで無料で好きなものが(アルコール以外)食べられることを伝えました。人間おなかが空くとイライラしますもんね。UA地上スタッフは、お客様の問い合わせ(多分、みんな同じ質問と思うが)に対し、同情心を顔に表しながら、答えています(中にはそうでない対応の人もいたけど)多くの飛行機会社では、遅延の原因をはっきりと伝えないことがあると聞いていましたが、タイムリーにきちんと説明していました。
7時前になり、接着剤がOKになったので、乗客は飛行機に乗り込みました。しかし、、まだ試練は続きました。「1つのエンジンが故障だが、他のエンジンは正常なのでこのまま飛ぶ」と機長がアナウンスしてるではありませんか!それもなんだか若そうな機長、、、。
その時、どこの国の方でしょうか?西洋人客が、「冗談じゃない。おれは、降りるぞ」と、客室乗務員と口論しはじめました。彼の奥さんも「もうだれも止められない」と言い、知らん顔で席についています。結局彼は一人、荷物を取り出して出口に向かいました。そのうち成田の時間切れで、全員今日は空港近くのホテルに宿泊となりました。連絡が必要な方のためと、国際電話もできるテレホンカードのようなものを希望者全員に配布しました。
「預けた荷物は、明日再度積み込む時間を節約したいのでなるべくそのまま預けていてほしいが、どうしても取り出したい人は応じます。預けたままにしてくれる方は洗面道具を用意しましたので」と、UAのマークのポーチに入った洗面道具を配り、ホテルの宿泊券を配りました。食事は夕食がエコノミーは15ドルまで、ビジネスが25ドルまでと上限はありますが、十分食べられる価格でした。朝食券もくれました。もちろん宿泊は無料、次の日の搭乗も振り替えなので、格安航空券を買った私達も無条件で乗ることができます。(聞いた話によると日系の航空会社では悪天候で欠航になった際翌日の予約は取れないと言われ抗議ののちやっと取ってもらったそうです)
翌日の機長はシフトの関係でしょうか?ちょっと年配の機長に代わっていました。機内で、今回のお詫びにマイレージ粗品を後で送りますのでと、連絡先を記入させられました。
成田到着は月曜日のお昼になるので、休みを取ったので、お土産とは別にお詫びに機内でゴディバの高ーいチョコレート詰め合わせを購入しました。(ゴディバの威力はすごく、どうやら許してもらえたようです。)
成田から車を飛ばし、2時ごろ家に着き、月曜日の授業の準備をし、4時には学校に向かいました。とっても長い一日でした。さすがにスターバックスは飲みすぎたので、市ヶ谷では寄らずに通り過ぎました!
この件で私が学んだことは、
1. 海外旅行の計画は余裕を持って。
  会社が始まる前日に家に戻るというぎりぎりの計画は社会人として危険すぎる。
2. 原因説明はタイムリーに、誠実に伝える努力をすることで顧客の不信感を取り払う。
3. 謝罪よりも相手に同情することで怒りは緩和できる。
乗務員が無愛想などと聞いていたのですが、今回の対応で、ユナイテッド・エアラインは私の心をしっかりとつかみました(本当はスターバックスコーヒーによるものが大きいかもしれませんが、少なくとも幻滅を味わうことはありませんでした)。
(7/19の日記はお休みします。業務は通常通りです)
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