9月24日(土)老舎原作《茶館》上映のお知らせ

現代中国映画上映会からおしらせです。

次回の定期上映会は、9月24日(土)に、北京をこよなく愛した文豪老舎の代表
作《茶館》を映画化した劇映画《茶館》を上映します。

上映会場は文京シビックセンターの2階にあるシビックホール(小ホール)です。
皆様のご来場をお待ち申し上げております。現代中国映画上映会

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★★★第469回現代中国映画上映会(定期上映会)★★★
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●上映作品:劇映画《茶館》
       1982年 北京電影制片厂 制作
       カラー/16mm/ビスタサイズ/120分/日本語字幕スーパー
       原題◎茶館(The Tea House)
       原作◎老舎『茶館』(話劇、1957年発表)
       言語◎標準中国語
       監督◎謝添(シエ・ティェン)
       脚本◎老舎(ラオショー)
       撮影◎鄭除ゥ元(ヂェン・ユィユェン)
       美術◎楊予和(ヤン・ユィフー)
       作曲◎彭修文(ポン・シゥウェン)
       録音◎陳燕嬉(チェン・イェンシー)
       主演◎于是之(ユィ・シーヂー)、鄭榕(ヂェン・ロン)
          藍天野(ラン・ティェンイェ)、童超(トン・チャオ)
          程中(チェン・ヂョン)、胡宗温(フー・ゾンウェン)
          英若誠(イン・ルォチェン)、黄宗洛(ホァン・ゾンルォ)
          童弟(トン・ディー)、李大千(リー・ダーチエン)
          林連昆(リン・リェンクン)
●上映日時:9月24日(土) 午後6:55上映開始(開場は6:35)
●上映会場:文京シビックホール(小ホール)
          (文京区役所がある文京シビックセンター2F)
       東京メトロ丸ノ内線南北線 後楽園駅 直結
       都営地下鉄三田線大江戸線 春日駅 直結
       地図
●会 場 費:1200円(会員)、1600円(非会員)
●入 会 金:600円(一般会員、同時入会可、有効期間1年)


 これは北京にある裕泰茶館を舞台にした物語である。
 1898年、腐敗した清王朝は滅亡しかけていたが、北京にある裕泰茶館の商売は繁
盛していた。その茶館を経営するのは王利発。そこにはきれいな声を聞かせる鳥を
入れた籠をもつ人、闘わせるためのコオロギを自慢する人、古い玉器を売り買いし
たり占いをしたりしている人たちなどが数多く出入りしていた。茶館は様々な人が
四方山話をする社交場であり、そこは社会を反映する鏡のようだった。
 疲弊した農村から出てきた農民は僅かな食料と引き換えに子供を売る場所として
その茶館を選んだ。一方で金持ちも茶館に出入りしていた。清朝を倒そうとする者
が茶館で捕まり、そこは清朝末期の断末魔の叫びが聞こえてくるところでもあった。
 清朝が倒れた翌年。袁世凱がこの世を去り、軍閥が割拠する民国初年。北京にあ
った多くの茶館は閉館を余儀なくされたが裕泰茶館は必死の経営努力で立て直しを
図っていた。茶館では蓄音機のスピーカーが音楽を奏でて客を呼び込み、サイドビ
ジネスとして大学生を下宿させようとしていた。社会の混乱は一向に収まらず、腐
敗した兵隊たちや警官がやってきて横暴の限りを尽くす。王利発は老舗の茶館を守
るために必死の努力を続けるのだった。
 国民党の施政下にあり、その不敗の影響を一番受けるのは常に庶民である。王利
発が守ってきた茶館も国民党の特務に乗っ取られてしまう。裕泰茶館はどうなるの
だろうか…。

 本作は老舎(1899〜1966)が新中国誕生後に発表した話劇『茶館』を1982年に完全
映画化したものである。話劇『茶館』は3幕もので、清朝末期、民国初期、新中国
誕生前夜という3つの時代を、裕泰茶館という茶館で展開されるその時代時代の世
相を反映した事件を通して庶民の生活を描いた一大時代絵巻である。
 制作からすでに30年近くを経過した旧作ではあるが、中国映画史に残る伝説の名
作といわれている。
 原作者である老舎は『駱駝の祥子』『離婚』『龍須溝』』『方珍珠』『月牙児』
など北京を舞台にした数多くの作品を残しており、ノーベル文学賞候補といわれた
が、文化大革命初期に非業の死を遂げた。
 歴史ある繁華街の王府井の近く、豊富胡同に老舎の旧居がある。『茶館』はこの
旧居で1957年に創作された。現在は旧居をそのまま利用した老舎記念館が作られて
おり、多くの観光客で賑わっている。スチール写真
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