中国の銀行編その2

一般の闇両替屋さんは、2畳程度の店内にやる気なさそうに、
Tシャツやトレーナーを数枚かけて、洋服屋を装ったり、
埃のかぶったお菓子を並べて食品屋を装ったりしているが、
両替目的以外のお客さんを見た事がないが、新学期の時期になると、
店の外まで外国人の行列ができたりするのだ。
それらの闇両替屋さんに共通する点は、店の奥にカウンターがあること。
ウワサによると、地元の公安や警察と結託していて、当局のお兄さんが、
「明日の午前中に手入れに行くから、店を閉めとけよ」と教えてくれるらしい。
もちろん、それなりの賄賂も支払っているようだが、これは海賊版を売っている
CDショップでも同じで、何時に警察が来るのか情報が回っているだけに、
まさに形式だけ取り締まっているようにしか見えない。
これでは、イタチごっこにすらならないではないか・・・。

ちなみに賄賂を払っていないCDショップは、「警察が来たぞー」と、
情報が入ると(飛脚みたいな人が大声で知らせて回る)、
急いで店じまいをする。
その場に居合わせると、なぜか商品をしまったり、シャッターを下ろしたり、と
手伝わされたりもする。
店内に取り残されたまま、シャッターが下ろされて電気を消されたりすると、
軟禁された気分で、かなり不安になるが、警察が帰れば解放?してもらえるのだ。

道路や駅での物売りも、警察が来ると、バラバラと散っていくが、
中には逃げ後れて、商品や荷車を没収される人もいる。

こんな事にも時々遭遇するが、普段は、警察も海賊版屋さんや
物売りの人たちも”共存共栄”しており、公安や警察のお兄さんが
制服のままで、海賊版ダンボール箱を漁っていることもよく見かける。
中国では、何事にも”本音と建前”が存在しているのだ。

ちなみに、街中には流しの闇両替屋さんもいる。
彼らの多くは、銀行の出入り口や、銀行の中にいたりするのだ。
窓口で換金しようとすると、「こっちのレートの方がいいぞ!」と
声を掛けられたりする。
銀行サイドもそれを黙認しているので、最初は驚いた。
しかし、そういった流しの闇両替屋さんは偽札を紛れ込ませたりする場合も
多いようなので、利用はお勧めしない。

最初は”闇両替”と聞いてかなり引いたが、しばらくして色々見えてくると、
少なくとも中国においては、必要悪というか、国民のニーズにあった画期的な
ビジネスだと思うようになった。
どんなにキレイ事を行っても、私がもし、人民元を外貨にしたいと思ったら、
正規ルートでの換金は不可能なので、やはり闇両替に頼らざるを得ないのだ。

また、闇両替屋にも、比較的きちんとした場所と、怪し気な場所がある。
彼らも信用商売だから、偽札が出たとウワサが立つと致命的なので、
大学の近くや外国人が多いエリアで、きちんと?店を構えているところで
あれば、偽札の心配は殆どない、というよりも、これまで聞いたことはない。

偽札といえば、中国では1元(15円)や2元(30円)の低額紙幣の
偽札もかなり出回っている。
こんな低額紙幣の偽札をつくって、コストが見合うのだろうか・・・と、
心配?になるが、中国には1元紙幣から100元の高額紙幣まで、
かなりの量の偽札が出回っているので、日常生活で目に触れる機会も
かなりある。
旅行者は人民元紙幣を見慣れていないため、買い物の際、
お釣りに混ぜてつかまされる可能性が高いようだ。

さて、話が逸れまくっているが、本題の”銀行”に戻ろう。(つづく)