「ロータス(易初蓮花)上海wu zhong店」

リサーチャーのたまごさんによる、中国のストアチェックです。
今回は上海のストアチェック。
中国初の試み(かも)!?「ストーカー調査」(つきまとい調査)です。
(2002年メルマガ掲載分です)
=========「ロータス(易初蓮花)上海wu zhong店」 ========

今回のストアチェック先は上海のロータス
ロータスハイパーマーケットの分類に入りますが、日本には上陸していないため
馴染みがないかと思いますので、少し会社の概要を説明しておきます。

ロータスはもともとタイの財閥資本が経営するハイパー・マーケットチェーン
でしたが、1994年、英国のスーパーマーケット・チェーン、テスコがアジア進出
により1994年ロータスに出資、1997年のタイバーツ危機で資本比率を上げ運営権
を得ました。現在中央ヨーロッパとアジア(中国・韓国など)を中心にハイパー
マーケットを展開、成功を収めています。
ロータスが上海に進出したのは1994年。現在上海に7店舗、杭州に1店舗があります。

恒例のストアチェックですが、今回はちょっと手法を変えて実施してみました。
私の指導教授の言葉を借りると、「ストーカー」調査。
愛読書、パコ・アンダヒルの「Why We Buy なぜこの店で買ってしまうのか ショッ
ピングの科学」を参考に、ある買い物客にねらいを定めてショッピングのスタート
からレジまでをウオッチングしてみました。

【参考資料】
矢作敏行 (2002), 「小売国際化のプロセスについて」, 『経営志林』 第38巻第4号,
法政大学経営学会.
易初蓮花 折込広告(2002年5月23日〜6月5日版)より

※1元=16円のレートです。

■ ターゲットを探せ!
6月1日(土)午前10時。
まず例の如く入り口のコインロッカーに荷物を預け店内に。
尾行しやすくするためにショッピングカートではなくカゴを持ち、
買い物客を観察します。
本日のターゲットは「30代前半と思われる夫婦」に決定。
妻の服装は、肩までのストレートの髪に、メガネ、紺色のポロシャツに、ジーンズ、
スニーカーといったラフな格好。夫はビジネスマン風の短めの髪型、メガネ、
水色のワイシャツ(ネクタイなし)、グレーのスラックス、黒のベルト、
ケータイ持参。

■ ターゲットはロータスの常連?
夫がカートをひいています。
入り口から、ヘアケア、日雑コーナー、衣類、家電、お菓子・乾物・調味料コーナー
をノンストップで通り過ぎ、お米コーナーに向かいました。
足取りが速いのと、目的のコーナーまで無駄な動きが一切ありません。店内をかなり
熟知しているようです。買い物メモは持っていないようですが、買うものが既に
決まっているようです。

米コーナーには、10KGの米が何種類も並んでいます。妻と夫といくつかの銘柄を
時間をかけて見比べた後、「農場新大米」10K19.90元(319円)を
購入します。
安くもなく、すごく高くもなく、中くらいの価格帯の米を選んだようです。

次にやはり2人で豆腐を見比べています。米の時とは違って今度はすぐに決まった
ようです。「3丁で2元」(32円)というキャンペーン品のの豆腐をカートに入れ
ました。ちなみに他の豆腐を比較したところ、1丁0.5元(8円)なので普通よりも
やや高めの豆腐のようですね。

続いて肉コーナーへ。パックされた肉と、肉屋さんがカットしてくれるものとがあり
ます。パックよりも注文してカットしてもらう方が断然人気があり、そんなに混み
あってはいませんが、みんな順番待ちをしています。ここでは夫はカートを持って
少し離れたコーナーで待機し、妻を待っています。どうやら精肉売り場にはあまり
興味がないようで、ケータイをなにやら操作しています。
妻の番はまだ来ませんが、肉コーナーで量り売りした後貼る値段シールが紙づまり
してしまい、肉屋さんが四苦八苦しています。やっと妻の番が回ってきました。角煮
用と思われる豚肉の塊に、一口大の切れ目を入れてもらっています。8.33元(133円)
のデジタル表示をかろうじて読み取りました。見た目では500gくらいかな?

隣の鶏肉コーナーに妻だけ移動しました。今度はパック詰された500g4.95元(79円)
手羽を選びました。そこで夫が合流。
その横のお惣菜コーナーで冷菜(前菜)1パック5.90元(94円)を購入。10種類程度
のお惣菜がありましたが、即決していました。

(ストーカー調査続く  ターゲットにわからないように進行できるでしょうか?
こうご期待!)