9月13日(金)〜14日(土) 梅里雪山の懐へ―徳欽一泊小旅行

 「ところであんた何歳(いくつ)だい?」
とタシさん、さっそく挨拶代わりの質問。
 「日本人女性にそういうこと聞くのは失礼なのよ」
と軽く交わして、逆に質問する側に。
 「タシさんはお子さん何人?」
 「うちは男の子二人さ、一人はもう高校生だよ」
 「ええっ!」
どう見てもまだ三十そこそこにしか見えないので、正直びっくり。
 「オレたちのとこは結婚するのが早いんだよ、
  オレとかみさんは二人とも十四で結婚したんだ」
ふむ、な〜るほどね、それにしてもいくらなんでも早すぎ。
 「というとタシさんは三十そこそこってとこね」
 「三十代前半だな」
この年齢で高校生のパパとは…、道理で人間ができているわけです。

尼西(ニシ)付近はなかなか眺めのよいところ、
崖下に点々と家があるかと思えばその背後の山の上にもまた家があって、
いったいこんなところに住んでいる人たちはどんな生活をしているのだろうか?
と思わず首を傾げてしまいます。
このあたりの家は木造切妻二階建てで香格里拉(中甸)あたりの家と
ほぼ変わりませんが、もう少し先へ行くと陸屋根三階建てになり、
いかにもチベット風の造りになってきます。
しばし車を停めて撮影タイム、後から来ていたもう一台もここで合流しました。
上海からのお客一人を乗せたこの車も今回の旅の道連れです。

尼西(ニシ)から幸福(シンフー)へはひたすら谷へ下っていきます。
幸福(シンフー)を過ぎると道はほどなく黄土色の流れ―金沙江に出会い、
しばらく河沿いを走ります。

金沙江は長江の上流、麗江から香格里拉へ向かう折すでに一度出会っていますが、
このあたりはさらにその上流で、これから向かう徳欽付近は、
ミャンマーへ流れ込みサルウィン川となる怒江と、
遥かベトナムまで流れてメコン河となる瀾滄江とともに、
三河が最も接近し並行して流れる"三江並流"の地です。

香格里拉を出発して三時間弱、
街道最初の宿場町"奔子欄"(ベンズラン)に到着したのは午前11時前、
すでに雲が切れた青空からは強い日差しが降り注いで暑いくらいです。
ここは香格里拉と徳欽のほぼ中間地点、
昔から街道を行き交う人たちが一服する場所だったそうで、
道の両側約50メートルほどの間に旅館や食堂が軒を連ねています。
わたしたち一行四人もここでやや早い昼食をとることになりました。

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