オウム特別手配犯最後の逮捕

地下鉄サリン事件のあった1995年3月20日。私は朝8時前に出社(日本橋に勤めるサラリーマンでした)していて事件そのものには巻き込まれませんでしたが、多くの社員が出社することができず、走り回る救急車で都内が騒然とするさまを見ながらただただ茫然とするばかりでした。被害にあった皆さんにはまだまだ記憶に新しいでしょうが、私にはやはりずいぶん昔のことのように感じられます。個人として住まいや仕事、家族構成の変化など変遷を重ねたこともあるでしょうし、サリン事件でさえ軽微に感じられかねない広範で甚大な被害を巻き散らかした原発事故の影響もあるかもしれません。
膨大な時間の流れを思う時、ずっと逃亡し続けた人生の業の深さをおもわずにいられませんが、彼らは逃亡自体が罪だったという点を除いて、普通の生活を送っていました。刑法に触れることをしないのはもちろん、建築や介護の現場で働き、過剰な消費もせずつましく暮らし、ネットで非生産的なやりとりやら他者への攻撃もせず・・・と並べていくと少なくとも私より、そして、線を引いたり利権を引っ張り込むだけでタンマリ儲ける人たちよりずいぶん真人間に見えてきます。もともとそういう素質のある人たちだったのでしょう。彼らをそうさせた社会のありようこそ少しずつ見直していくべきではないでしょうか。
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