2002年8月14日(火)成都ーラサ

「りんむう」さんの連載「あこがれの西藏行-旧友との再会」です。
横浜生まれのりんむうさんは1989年、北京の中央民族学院に留学していました。
12年の時は流れ、かつての同学そーねいさんと今回初めて憧憬のチベットへ。
チベット族同学「格多」との再会は果たせるのでしょうか?

2002年8月14日(火)成都ーラサ

AM5:00の目覚ましで起床。いくら早く寝たとはいえ、やはり眠い・・・。
「だいじょうぶなんだろうか、こんな体調で・・・。」
風邪気味のそーねい、疲労しきっている私。
しかし、チベットに行けるという嬉しさで気持ちが盛り上がり、元気に
ロビーに集合する。

全員が時間通り集まり、このツアー、なかなかしっかりもの揃いである。
一人づつ、ビニール袋に入れられた「べんと」を貰う。
気になる中身は、《ホテルのベーカリー特製、ハムとチーズのサンドイッチ、
何だか分からない甘い”あん”がちょびっと入ったデニッシュパン、チョコ
レートのパンケーキ、可口可楽or雪碧、みかん、そして定判ゆでたまご。》
というメニュー。意外にウマイ!

成都の空港までは車で15分位。空港に着くや搭乗手続きを済まし、弁当を
食べる間もなく乗り込む。     

「いよいよ・・・。」
あと2時間弱もすれば、そこはもう高度3,800mの西藏自治区、クンガ空港。
プロペラ機かと思いきや、ちゃんとしたボーイング機。ひとまず安心と
いった所だが、問題は乗客にあった。

シートベルト着用のアナウンスがなり、言われるまでもなくすでに装着して
いる私の横で、中国人の女の子がシートベルトと格闘している。
「???」
何をしているんだろうと不思議に思い、思わず目をやると、
「えい! ちょっと手伝ってくれない? これどうすればいいの?」
なんとシートベルトの仕方が分からないらしい。
「これはね・・・。」と、説明しながらはめてあげる。
すると彼女、今度はそれを外そうとして必死になってひっぱる。
「NI・・・。(漢字がない!『あんたねぇ・・・。』のニュアンス)」
外し方を教えてあげる。
「[口奥]・・・!」
納得した様子である。

すると今度は、どこからともなく携帯が鳴り響く。
飛行機は既に離陸している。
「誰的PB機[口牙]?!」
スチュアーデスの厳しい追求も、当の本人は全く無視。

「あなた達、本当にだいじょうぶなの??」
飛行機よりも、乗客の中国人達に不安がつのる。

そんな心配をよそに、機体は平行飛行へと移る。 (つづく)
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