北京での大相撲公演

2004年に行ってきました。

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先週末、大相撲公演があるということで北京に行ってきました。
駐在の友人にチケットの入手は任せていたのですが、5/27頃、
「北京ウオーカー」(注1)http://www.shwalker.com/japanese/index.php
から購入できたとのこと。
相変わらず直前にならないとなかなか買えない仕組み(と認識している
のですが、実際どうなのでしょう?)なんですね。
そのわりに会場前でも当日販売していたようですが。

現地に住んでいればともかく、今回はわざわざ渡航してまでですから
1,280元の桟敷席?(マットに座布団を置いたもの。座布団はお土産の
紙袋に入っていて持ち帰れる)で北京の初日公演(首都体育館)を観ま
した。
中国でこの種の公演を見ると安いチケットで入ってきた中国人客が先に
自分の座席を占領していることがあるのですが(実際この種のいざこざ
が会場のあちこちであるのが下から見てわかりました)、1階席から地
べたの席には降りられないので快適な観戦ができました。

日本から来た裏方さんによると砂や藁は北京で集めたもので、屋形や
土俵の骨組みはばらばらにして運んできたとのこと、某日系航空会社が
スポンサーですから、力士ともども運んだのでしょう。

開会式の後は、相撲取りが土俵に上がり、相撲の基本動作の説明。
北京出身の三段目 仲の国(安易な四股名ですね・・・)が中国語で
しこや股割りなど説明をしていました。
そして定番の子供と関取の稽古。
半分が日本人学校の子供で、もう半分は中国の子供。
「礼に始まり礼に終わる」ということで、豆力士も礼をして登場。
でも日本の子供は土俵を去るときに礼をしないで降りていこうとする
ので、力士が頭をつかんでむりやり礼をさせていました。
中国の子供は事前に何度も言われたらしく、土俵を降りるときちゃんと
礼をして降りていきました。
ときおり興奮して忘れる子供もいましたが、力士も気を遣ってか、中国
の子供には、頭をつかんで礼をさせたりはしていませんでした。

その後太鼓の打ち分けや幕内力士、横綱朝青龍の土俵入りとつづき、
本場所と異なるトーナメント形式で取り組みが始まりました。
35人の力士が参加し、1回戦3番、2回戦16番、3回戦8番、
準決勝、決勝と進行しました。

この日は決勝で千代大海朝青龍を土俵際の上手投げで逆転勝ち。
みごと初日の優勝を決めました。

本場所は最近、寄りで勝敗が決するのが大部分ですが、海外巡業という
ことで、投げや吊り、はてまた土俵際で一本背負いを試みたり、最近
本場所では激しい動きが減ってしまった旭鷲山も立ち合いで思い切り
変化するなど、視覚的に楽しんでもらおうという姿勢が垣間見えました。
半面、ケガをしたくないためか、投げをこらえずあっさりと食らってい
るように見えました。そんなこともあって個人的には緊張感はいまいち
感じられませんでしたが、ま、海外巡業ですから。充分楽しめました。

私の予想シナリオは朝青龍が2日目は優勝して、1日目の勝者との総合
勝戦に勝って総合優勝、というものでしたが、これは翌日その通りに
なったようです。

日中のお偉方がきていたためか(といっても中国側は唐家センなど多忙
の「現役」も来場していましたが、日本側は村山元首相などでした)
会場では飲食はできず(日本では升席のタバコをめぐって話題になって
いるとおり、飲食、煙草もOK。いずれにせよ私は吸いませんが)、
入り口近くで大きめの紙コップ入りのジュース(10元だったかな?)を
買うことになります。
また、会場に入るときに鞄などの持込はできず、預けなければなりませ
んでした(2元)。駐在の友人とその上司は菓子やおつまみの類を何気な
く会場に持ち込み食べていましたが、特に注意はされませんでした。

日本での報道で(確か某国営放送)、中国の観客も勝負どころで盛り上
がっていて(欧米に比べて)相撲をよく理解している、という相撲協会
のお偉方のコメントを紹介していましたが、これは会場に在京の日本人
客が多かったことによるもののように感じました。
もちろん、若い中国人客や在京の西洋人なども多く来観していましたし、
私の前の中国人の若いカップルはトーナメント表に一生懸命印をつけて
観戦してました。
30年前にも北京公演をしたことがあるようですが、このころは政治
色も強かったでしょうし、経済先行で交流が進んでいるいま、この時代
に文化交流が継続して続くことこそ、質的に意義深いことだと思います。
海外に済む同胞も多いですから、自国の文化の再認識にもなりますし。
まあ、そう堅いことを言わなくても、皆で楽しんでその後宴会でもして
楽しい1日になればよいわけですから。

土俵後は弓取り式、表彰式で初日は終了。
2日目も見たいのですがさすがにそういうわけにもいきませんね。

注1)2004年当時のURLです

http://homepage3.nifty.com/kamakurakoka/