2002年8月14日(火)成都ーラサ

夕食の時間になり、起きだす。
相変わらず、起きたばかりの時の具合の悪さったらない。
り「だるい〜。」
そ「気持ち悪い〜。」
しかし食事にはしっかり参加。

昼食を食べた食堂の、2軒隣の店で夕食。ピーマン(やはり肉厚でしかも
辛い!!ひょっとしておっきい”ししとう”?)を炒めたものやじゃがいも
やもやしの炒めもの。何故か妙にコゲ臭い豆腐の炒めもの。青菜とトマト
の入ったスープ(これは3日間、おいしかった。)にのびきった麺。
デザートは西瓜or葡萄。などなど、ほとんど定番メニュー。

ク「どう? みなさん、体調の方は?」
なんとなく打ち解けてきたツアーメンバー同士、
体調を気遣う。
そ「ちょっと頭痛とかしますねぇ。」

神戸から参加のご夫婦は、奥様の方が少々つらそう。食事も合わないら
しい。
若者二人組は元気そう。
クレオパトラのおばちゃんはというと、
「私、な〜んともないのぉ!元気、元気。この前ペルー行った時はヒド
かったのよぉ、もう〜。」
と、エンジョイしきっている。
連れのオジサンはというと、ひとり食欲旺盛。なんでもガツガツと食べ、
元気そうに見えるがくちびるが青黒い。
ク「よぉく食べるでしょう? でも、ホラ、見て!」
手の平を見せると紫色になっている。

チアノーゼの症状である。

全員「だ、だいじょうぶですか?!」
オジサン「ふんっ!だいじょうーぶ!」
と、気にしていない様子。ガイドに注意されながら、煙草も吸っている。

そんな和やか(?)な雰囲気の中、ジッとうつむいたまま一言も発っせず、
だまーって食事をする謎の新聞記者。

食事も終わりホテルへと戻るが、なにせ北京時間とは実質2時間程度の
時差があるラサ。7時とはいえまだ明るい。
ちょっと身体を慣らす為にもホテルの周りでも散歩してみようと、
そろそろと歩き出す。
ホテルの外には道端に布を広げ、民族衣装を着たおばちゃん達が土産物
を売っている。しかし他の観光地のように、しつこく客引きする訳でも
なく、なんとなくいい距離感である。
交差点を渡り、ちょっと商店を見て、すぐ近くに見える夕方の山々を
眺め、町並の写真を撮り・・・。
だんだんと実感が涌いてくる。しかも、何だか調子もいい。

『ジッとしているよりも、多少動いた方がよい。』とものの本には書いて
あったが、私の場合、まさにその通り。起きた瞬間が一番つらかった。

ホテルの門の前でアイスクリーム売りを発見。お決まりなので早速買う。
り「どれがおいしいのかなぁ??」
とつぶやきながらアイスの箱の中をひっくり返していると、
「これこれ! これがおいしいわよ!」
アイス売りのおばちゃんイチオシの商品は《芝麻湯円アイス》。
り「わ〜、好き好き、こういうの!これちょうだい!」
それは、ミルクアイスの中にねっとりとしたゴマだれがたっぷり入った、
素朴で、でも濃い味の逸品。
ヒットです☆☆☆☆☆。

ホテルの中庭など見るが、たいしたものもないので部屋に戻る。
チベット初日はお風呂には入らないように、との注意があったので
素直に従う。
だんだんと、順応してきた私。
だんだんと、高山病の症状が出てきたそーねい。

そ「気持ち悪い・・・。」
り「酸素、吸う?」

ちょっと吸ってはみるが、たいしてよくはならない。
私は、自分が随分と慣れてきていたのでそーねいの異変にも気付かず
暢気にしていたが、やはり相当具合が悪かったのだろう、夜になって
突然もどしてしまった。

り「だいじょうぶ?」
そ「うん、吐いたら楽になった・・・。」
り「酸素マクラ、借りようか?」
そ「いや、だいじょうぶやろ。風邪気味やったけん、それがきてるのかも
   しれん。」

明日からはいよいよ観光。私達はまだ、あの”ポタラ宮”を見ていない。

「早く寝ようね。」
またしても早々に床に就くふたり。
チベット初日。
この地は、下界から来た私達を、そんな簡単には受け入れてくれなかった。

つづく♪
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