中国の新たな出入国管理法令について 在中国日本国大使館2013年8月30日

8月30日、中国公安部が当地外交団に対し、中国の新出入国管理法(中華人民共和国出境入境管理法、以下新法)及び外国人入出国管理条例(中華人民共和国外国人入境出境管理条例)に関するブリーフを実施したところ、主な内容は以下のとおりです。邦人の方におかれましては、引き続きご自身のビザ・居留許可の有効期限にご注意いただき、ビザ・居留許可の更新手続きを行っていただくようお願いします。また、具体的な取扱いはお住まいの各地で異なる場合がありますので、実際に手続を行う場合はあらかじめ各地の担当部署にお問い合わせ下さい。

1.新法・新条例の整備の背景等
(1)新法・新条例は、中国人の海外渡航、訪中・中国に滞在する外国人の増加を受け、10年がかりで検討を行い今般整備したもの。各種手続の利便化と管理強化の双方に着目している。
(2)外国人に関係する部分では、(ア)ビザ(査証)制度(種類の増加・細分化)、(イ)短期滞在(停留、180日未満の滞在)と長期滞在(居留)及び永住の制度、(ウ)就労する外国人のビザ・居留、留学生のバイト(勤工助学)の制度、(エ)不法外国人の調査、処罰や送還の制度の整備が主な内容。
(3)外国人に対しては、トランジットのビザ、ビザ延長・切り替え、停留・居留期間の延長、人道案件等のビザ、代理手続等の面で利便化を図っている。また、中国滞在にあたっての法令遵守、不法滞在・不法就労の処罰、臨時宿泊登記やパスポートの携行義務等の点での管理強化・明確化等がされている点に注意願いたい。就業できないビザで就業した場合、就業許可と関係のない場所・企業で就労した場合、学生が正規の手続なくバイトをした場合等はいずれも不法就労である。

2 居留許可更新所要期間等の問題
(1)中国国内での居留許可更新に15日間、同じくビザ取得に7日間が所要期間とされ、大きな問題となっているとの問題提起がなされている。出入国管理法等で規定しているのは、あくまでそれぞれの所要期間の最長期限にすぎない。
この問題については、公安部としては、各地の公安機関に申請者のニーズに応じて処理期間を短縮することは可能である旨指示している。
(2)また、申請期間中にパスポートが公安局預かりとなり、中国内、或いは国外への移動ができないという問題については、全国の公安機関にビジネス上や人道上の正当な理由があればパスポートを一旦申請者に返却するように各地の公安機関に指示を出している。この場合には、申請者は用件が終わった後に、再度パスポートを担当の公安局に提出する必要がある。
(3)期限短縮処理やパスポートの一次返却を求める際に必要な書類等
具体的には、各地の公安局の判断であるが、例えば、ビジネスマンであれば、緊急の用務があり日程調整が不可能なこと等を所属先の会社が文書で証明すること、親族訪問等個人的な理由で滞在している場合には、同様の証明を当該親族が文書で説明すること等が必要となる。
(4)パスポートを公安機関に預けた際に発行される預かり証(受理回執)
預かり証については、9月1日より、全国統一の様式を用いることにした。統一様式は、申請者のカラー写真付きとなる。なお、預かり証で飛行機や高速鉄道に乗れるかは、公安局が判断することではない。

3 指紋の採取
新法、新条例の下では、長期滞在をする外国人が居留許可を公安局に申請する際に、公安局が指紋を採取し、保存することが可能となっている。指紋の採取、保存、管理については慎重を期すべきであり、目下、関連の規定を整備中であり、開始時期は現在未定である。

4 新たなビザ制度(申請手続き)
新たなビザ制度に基づく申請手続き、必要種類については、ビザの申請は基本的には国外にある中国公館で行うものであるところ、目下、外交部において検討中である。外交部より外交部及び各在外公館が間もなく必要な情報をHP等で公表される予定。

在中国日本国大使館2013年8月30日