2013年(10−12月)海外安全対策情報 在中国日本国大使館

【邦人の方への一般的な注意事項(犯罪関連)】
 空港やレストラン、駐車場等でのサイフやパスポートの盗難(スリや置き引き、車上狙いに遭う事例)が引き続き多発しています。
 また、市街地で会った客引きについていき、いわゆる「ぼったくりバー」や「違法マッサージ」で被害に遭う事案や、故宮等の観光地にたむろしている三輪車や白タクで法外な料金を要求される事例も発生しています。
 その他、裁判所、警察、郵便局を装った振り込め詐欺も発生していますので注意が必要です。

 
1.社会・治安情勢
 社会全体としては安定しているが、社会に不満を有する人物による事件、土地・開発・環境問題や官憲の横暴等に関係する地方政府等に対する抗議活動が発生している。新疆ウイグル自治区等では民族・宗教も絡むと考えられる暴力事案や凶悪犯罪も発生し、死傷者も出ている。10月には天安門に車両が突入する事件が発生し多数の死傷者が出る事件が発生、邦人1名も巻き込まれて負傷した。


 また、11月には山西省中国共産党山西省委員会の庁舎付近で爆弾事件が発生した他、同月、山東省青島市で地下の送油管が爆発する事故により、50名を超す死者が出る等、大規模事故等で多数の死傷者が出る事案も各地で発生している。


 一昨年秋に発生したような日本を標的とする抗議・破壊活動は発生していないものの、引き続き日本に対して厳しい見方が存在している。

2.一般犯罪・凶悪犯罪の状況
 中国国家統計局の発表によれば、2012年の刑事事件の立件数は全国で約655万件、前年比で約9%増加している。2012年は、殺人事件は約1.13万件、傷害事件約16.4万件、強盗事件18万件であり、これらはいずれも前年比で微減。誘拐事件は1.8万件と前年比約30%増。刑事事件の内、一番多い窃盗事件は428万件で約2.5万件増加、2番目の詐欺事件も55.5万件で約7万件増加している。


 2012年、交通事故による死亡者は約6万人であり、交通事故は引き続き多発。

3.テロ・爆弾事件発生状況
 上述の10月に発生した天安門に車両が突入した事件については、中国当局はテロ襲撃事案と発表している。新疆ウイグル自治区カシュガル地区では、12月中旬、警官が暴徒14名を射殺、警官側も2名が死亡したこと、12月末には暴徒が公安局を襲撃し警官側が8名を射殺した「暴力テロ襲撃事案」が発生したと報じられた。

4.誘拐・脅迫事件発生情報
 邦人の被害はないものの、2.のとおり、誘拐事件は中国内において多数発生し、増加の傾向にある。邦人関連では、上海等を中心に「ぼったくりバー」、「違法マッサージ店」で数十万円を脅し取られる等の被害が多発している。

5.日本企業の安全に関わる情報
 一昨年の10月以降は、抗議活動に係る日本企業を標的とした破壊活動等は発生していないが、引き続き日本に対して厳しい見方が存在している。


 労働者解雇や契約上のトラブル等を理由に、日本人を含む企業経営者側が労働者側により事務所内に閉じ込められたり、暴力を振るわれる事案も発生している。


 なお、未払い給与等の負債がある場合には、民事訴訟係属中又は民事訴訟敗訴後の未履行を理由として、中国当局により出国が制限される場合がある。


 健康管理面では大気汚染が引き続き中国の広範囲で発生している他、昨年春に発生した鳥インフルエンザA(H7N9)について昨秋以降、浙江省広東省等で再びヒト感染例が報告されているので注意が必要である。


http://homepage3.nifty.com/kamakurakoka/