一時帰国編

余談だが、以前、友人が北京に出張に来たとき、
その友人に同行してきた彼の同僚の中国人と3人で食事をした。
その中国人は日本語がペラペラだったのだが、
会話の途中で、「後ろにある入り口」をあらわす適切な日本語が思い浮かばない。
中国語は後門なので、そのまま言おうとして、ん?違うぞ・・・と思いとどまる。
中国語で、「後門て、日本語で何て言うっけ?」と、こっそり聞いてみると、
流暢な日本語で、「それは”裏門”です」と教えてくれた。
ありがとう!そうそう、そうだよ、そんな日本語あったよー、と
記憶細胞が蘇生してくれたことが、とてもうれしいが、
中国人に、日本語聞いて、どーするよーっっと思わなくもない。

その方は、日本語を忘れちゃうくらい、
一生懸命に中国語を勉強したんですね・・・
と、フォローしてくれたが、そうではないのだ。
それに、日本語を忘れちゃいました、と言うほど、私の中国語は上手くない!
母国語といえども、まともに接していないと、忘れていくものなのである。

言葉だけではなく、久しぶりに日本に帰ると、恥をかくことも多々ある。

私の”友人たちのエピソード”をいくつか紹介しよう。

友人の一人は、空港で運転手さんがトランクに荷物を積んでくれている間に、
タクシーの自動ドアを手でこじ開けて乗ったらしい。
(中国のタクシーは自分で開ける)
このドア、おっもーーっっ、と思いながらも、無理にこじ開けたようだ。

別の友人は、タクシーに乗った際、つい助手席に乗り込んでしまい、
運転手さんにかなり引かれたらしい。
(中国では一人の場合、タクシーの助手席に乗ることが多い)

電車の車両からデッキへ通じる自動ドアを、手で閉めようとして
なかなかしまらず、戦っていたら、見かねたおじさんが
「それ、自動ドアだよ・・・手を離せば閉まるから」と、教えてくれた、
という人もいた。

まぁ、赤信号で道路を渡ろうとするというのは、中国で暮らしたことのある人なら
誰もが一度くらい経験していると思う。

ファーストフードで、トレイやごみを放置して帰ろうとした、
という人もかなり多いだろう。
中国では、片付け専門のスタッフがいるので、
片付けはセルフサービスではないのだ。
                    (一時帰国編つづく)