2001年の編集後記から

2001年のメルマガからです


この夏休みは4日ほどですがシカゴ(とミルウオーキー郊外)に行きました。行ったと
いっても日数が日数ですし、重要関係人の勤める会社の米国本社研修の運転手としてか
り出されただけなので、さわりしかみていません。それでもこの黄金週間もシアトルに
行ってきたので、米国のいくつかの都市や町を見ました。
私も会社員だったころは仕事で日本国内を回ってましたが、いつも感じていたのは「ど
の町の商業地も同じ様な構造でしかもその傾向はどんどん強くなる」ということでし
た。米国においてもそれは同じ。どの町にもウオルマートのような画一的スーパーや
ファーストフードがあり、大都市以外では個人経営の小売店は影が薄くなっているよう
です。
もちろんインターネットがあるので私のようなこと(笑)をして生計を立てている人も
たくさんあるのでしょうが、町の風景としては単調でした。もちろん建築物の物珍しさ
などは別の話でシカゴなどは素晴らしいですが、そこの人の生活の単調さや選択肢の少
なさを感じたのです。ベンチャーが盛んとかフロンティアスピリットとか言うけれど、
この国で真の選択肢を持ち得ている人は割合としてどのくらいいるのかと考え込んでし
まいました。
我が国でも深刻な問題として表面化しつつあると言えるのかもしれません。もちろんど
こでも社会のせいにするわけにいかず、自分が勉強して賢くなるしかないわけです。
シカゴの先物市場では農家が天候をコンピュータで予測して自分の作物の先物取引をし
ているビデオが流されていました(行った人は見ているでしょうが)。実際そんなうま
くいくことばかりではないでしょうが、可能性としては大きな富を得る機会はあるよう
です。日本の農家もセーフガードに頼らずに創造性や相場観を発揮して夢のある職業、
自分がなりたい職業に育てて欲しいと思いましたし、その余地は充分あるように思いま
す。それはどの職業でも立場でも関係なく言えることでしょう。
それに、重要関係人がその後出かけたニューヨークでは「同じファーストフードのアル
バイトでも目的をもって働いている印象を持った」ということですから、大きな目的を
持った人や自分の選択をしたい人がいく場所もこの国にはあるということでしょう。我
が国にもそういう場所や機会はあるはずです。なければ自分で作ってみたいですし、そ
うした試みを応援したいと思っています。お金はありませんが(笑)。
よくグローバリズムアメリカ化と言う言い方をしますが、実際は世界がアメリカ化し
ても多くのアメリカ人が幸せになるわけでもなさそうなので、「多国籍巨大企業化」と
いうのが正しいようです。その意味のグローバル化は私は同意しかねます。よく言われ
る環境などの問題もさることながら、生き方として個人の選択肢が少なくなるからで
す。ただ、現実に生産コストが上がればコストの低い方に移動するという意味のグロー
バル化なら必然の選択肢とも考えられます。そうしなければ経営者(とその社員の
方々)は生き残れないわけですから。雇用される側も有利な仕事を欲するのは当たり
前。私も経済的人間ですので反グローバルといっても規模の大小や自分の生活にとって
有利か不利かという動機で賛否を判断しています。
多くの中小の日本企業にとってフロンティアはやはり中国なのでしょう(関連づけが
ゴーインだなあ・・・・)。私が開業前の資金集めのアルバイトをしていた海産物の会
社も昨年から下作業を中国で行うようになりました。そうですよね・・・私に1時間千
いくら払うよりも・・・・と考えるだけでナットクです。原料の選別をしたりするので
すが、仕事も丹念で工場も衛生的だそうです。
話がそれましたが、米国での一般の人々の生活への印象とは裏腹に、楽しかったのがメ
ジャーリーグです(笑)。一般メディアで語られているので素人の私が説明するのはや
めときますが、いっぺんで病みつきになってしまいました。国内においては地元チーム
のファンですが、カントクが変わってからどうもつまらなく感じられてしまって、忙し
いこともありますがスタジアムへの足が遠のいています。何にしても個人の選択肢が多
様で思いもかけない広がりが出るというのが私の好みなのだろうと思います。仕事でも
そうありたいと思っているからでしょうね。(おわり)

http://homepage3.nifty.com/kamakurakoka/