10月11日(土)幻の日中合作作品《狼火は上海に揚る》など3作品上映のお知らせ(現代中国映画上映会)
次回の定期上映会は、10月11日(土)に、幻の日中合作作品を含む3作品を上
映します。
上映作品は、幕末期に上海を訪れた高杉晋作を描いた板東妻三郎、梅熹主演作《狼
火は上海に揚る》、男として育てられた花火屋の若主人の女性を描いた《哀戀花
火》、中国映画のスケールの大きさを世界に知らしめた歴史超大作《始皇帝暗殺》
の3作品です。
上映会場は文京シビックセンターの2階にあるシビックホール(小ホール)です。
この機会をお見逃しないようご覧下さい。
現代中国映画上映会 gentyuei@parkcity.ne.jp
http://www1.parkcity.ne.jp/gentyuei/
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★★★第66回現代中国映画上映会特別上映会★★★
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●上映作品:劇映画《狼火は上海に揚る》
1944年/中華電影・大映共同出品/35mm/モノクロ
スタンダード/65分/日本語字幕スーパー
使用言語◎中国語・日本語
中国題◎春江遺恨
監督◎岳楓(ユエ・フォン)、稲垣浩
脚本◎八尋不二
撮影◎黄紹芬(ホァン・シャオフェン)、高橋武則、岡崎宏三
主演◎阪東妻三郎、梅熹(メイ・シー)、李麗華(リー・リーホァ)
王丹鳳(ワン・タンフォン)、月形龍之介、石黒達也
香川良介、中村吉松、呂玉堃(リュィ・ユィクン)
厳俊(イェン・ヂュィン)、姜明(ヂァン・ミン)
韓蘭根(ハン・ランゲン)、殷秀岑(イン・シゥイン)
●上映日時:10月11日(土) 午後2:00上映開始(開場は1:40)
●上映会場:文京シビックホール(小ホール)
(文京区役所がある文京シビックセンター2F)
東京メトロ丸ノ内線・南北線 後楽園駅 直結
都営地下鉄三田線・大江戸線 春日駅 直結
地図: http://www1.parkcity.ne.jp/gentyuei/civic.htm
●会 場 費:1300円(会員=有効な会員証をお持ちの方)
1600円(非会員=当日)
●入 会 金:700円(一般会員、同時入会可、有効期間1年)
時は幕末。尊皇攘夷思想を掲げる長洲の志士・高杉晋作(阪東妻三郎)は江戸幕
府が派遣した視察団の一員として上海を訪れた。当時の中国は清朝末期であり、列
強からの侵略に苦しんでいた時期である。上海には阿片戦争後に押し寄せた列強の
租界があり、中国人は自分の土地で小さくなっていた。折しも中国では清朝の腐敗
から民衆を救おうと太平天国の乱が起こり、世の中が乱れようとしていた。
高杉晋作は彼の地で太平天国軍の武将・陳翼周(梅熹)と知り合い、その危機を
救った。そして、列強に支配される中国の現状と列強の野望を身をもって知った高
杉は列強への抵抗の意志を胸に帰国するのだった。
本作は、大日本映画(略称:大映、現在のKADOKAWA)と上海の中華電影聯合股份
有限公司(略称:華影(が共同制作した日中合作映画である。制作された1944年は太
平洋戦争の最中であり、本作の内容も米英への敵愾心を煽るような内容になってい
る。中国側の華影は川喜多長政が副董事長を務め、日本の影響が非常に強い映画会
社であったが、日本側の比較的締め付けは強くなく、戦中の上海にあって多数の名
作を生んだ会社である。
本作のプリントは戦乱で失われたものと思われていたが、ソ連軍により中国東北
部(旧満州)で接収され、モスクワのフィルムセンターに収蔵されていた。先年見つ
かり、幻となってから50数年ぶりに里帰りした貴重な作品であるが、残念なことに
第1巻は失われている。しかし、ストーリー展開に問題はない。
日本側の阪東妻三郎らの説明は不要だろうが、中国側の梅熹、李麗華、王丹鳳な
ども当時の大スターであり、中国側の力の入れようが分かる。中国側の3人は戦後、
香港と大陸に分かれたものの、長らく中国映画界を引っ張った人物である。
※上映作品のスチール写真などはHPをご覧下さい。
http://www1.parkcity.ne.jp/gentyuei/future.htm#20141011_1