一時帰国編

今度はシカゴ在住の若い「華僑」と隣り合わせです。

=========一時帰国編その 8============

さあ、次はアメリカに移民したシステムエンジニアの話をしよう。
労働節で帰国した際の、成田発北京行きの飛行機で
隣り合わせたのは、シカゴ在住の30代の”華僑”であった。
これもノースウエストで、やはりキャビンアテンダントさんが
中国人だったので、私が中国語で話していたら、
どうやら中国語を話したくて話したくてしょうがない!と
いった様子で話し掛けてきた。

彼は8年前に自費留学で渡米し、大学を卒業後、シカゴで就職し、
昨年ようやくグリーンカードが取得できたという。
市民権は得たが国籍は中国人のままなので、
彼は”華僑”に分類されるらしい。

彼は昨年会った帰化人と違って、祖国大好き、愛国心バリバリ!の
30代後半の物静かでインテリチックな男性だった。
アメリカ暮らしが長いせいか、洋服のセンスも良く、
物腰も洗練されていて、なかなかステキだった。

彼は8年前に出国してから、今回が初めての帰国だという。
8年ぶりの帰国が楽しみでしょうがないといった様子で
今の中国の情況、北京の様子など、事細かに聞いてくる。
中国人に中国のことを教えるようになるなんて、
私も偉くなったモノではないか・・・。

ちなみに、今、中国では知識階級の海外流出が深刻である。
そして海外から流入してくるのは、
貧しい国のトップエリートである国費留学生と、
私みたいに、自国でドロップアウトした、
知識階級とは程遠い外国人ばかり?かもしれない(笑)。

中国では、優秀な人は国費で留学し、
経済的に余裕のある人は私費留学を、と
今、空前の留学ブームとなっている。
とにかく海外へ出たい!高学歴になればなるほど、
その意識が強いように見える。
そして、あるデータによると、留学した人の7割だか8割が
戻ってきていないらしい。
このデータの信憑性は定かではないが、
あながち間違ってもいないような気がする。
しかし、国にしてみたら税金で海外に留学させて、
技術や学問を学んだ後で、戻ってきてくれなかったら、
何にもならないではないか。
戻ってきて国家に貢献してもらうための先行投資のつもりが、
そんな思惑は外れまくっているようである。

国費で留学できるような人は、それこそ13億の人口の中から
選び抜かれたトップエリートな訳だが、そんな優秀な人たちに
限って帰ってきてくれない、というのが現状なのだ。


                   (一時帰国編つづく)

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