震災から4年

震災の時は事務室にいて強烈な揺れで停電。隣の歯医者さんの車のテレビを見せてもらい、津波三陸沿岸に押し寄せる映像を見てぼう然とするばかりでした。3月末に親戚の避難のために現地に入ったときの町のあまりの惨状からは立ち直る姿を想像できませんでした。
それから4年。震災がなければもっと長生きしたはずの親戚も病でなくなりました。
そして、被災地では立ち直った人もあれば、そのまま時間が止まったままの人もあるでしょう。
人間の記憶装置のいいかげんさというのは恐ろしいもので、被災地から遠いところに住んでいる私たちは日常で震災を思い出す機会が確かに少なくなってきたかもしれません。しかしその衝撃は人生観の変化という目に見えない形で意識にしみわたっています。個人の人生にとって、この社会にとって、いま一番何を大事にすべきなのか考える、震災後はそんな機会が多くなりました。その意味では震災のおかげで人も社会も成長する機会を得たともいえます。おかげでという表現は誤解を招くかもしれませんが、無数の無辜の犠牲を忘れないという強い意志が生きている人たちの内なる成長や社会の進歩を促すとも言えましょう。
その一方で時間が止まった人たちの悲しみに思いを巡らせることも忘れてはいけないと思います。人生は前に進むことがすべてではありません。
http://homepage3.nifty.com/kamakurakoka/