8月15日(水) ラサ市内観光(午後編)

そうこうしているうちに舞台が始まる。
舞台といっても人が4人ものればいっぱいの、可愛らしいもの。
あきらかに絵の素養がない人が描いたと思われる、手書きの背景が悲しい。

男の子2人による仮面劇の踊り、おばさま方3人による歌。
どれも、かつて私達のハートをわしづかみにした”あの”表演には遠く
及ばないが、アットホームで手作り感のある舞台である。

最後は少年によるヤクとヤク飼いの舞い。
ムチをならし、激しく踊り廻る姿に私も興奮。
少年とヤクは、舞台を降りて客席を練り歩く。
早速、台湾人ツアー客の若い女の子を連れてきて、ヤクに乗せる。
激しく踊るヤク。
周囲はヤンヤ、ヤンヤの喝采
しかしヤクに乗せられた当の本人は、「アイヨ〜!!」を連発し怒り泣き。
「そんな、少年やヤク役の兄ちゃんにマジギレしなくたって・・・。」
思わずつぶやく。

客席をぐるっと一周して、少年達は舞台に戻る。
これはシャッターチャンスだ、
真正面からアップで撮れる!と、舞台横でカメラを構える私。

少年が近づいて来た。
袖を振り回し、飛んだり跳ねたり、激しく踊る。
角に[口合]達を巻きつけたヤクも、少年の動きに合わせて激しく首を振る。

(来た来た、あともうちょっと。少年よ、そこをどいてくれ!)

そう思ってシャッターをきろうとした瞬間、突然ヤク(役の兄ちゃん。
正しくは)が私に向かって突進してきた。

り「きゃあああ〜!!!!」

悲鳴と共に思いっきり尻もちをついたそこは、先程のバイキングで台湾人
観光客達が、べしゃべしゃとスープをこぼした場所。

り「ひどい・・・。」

現像されてきた写真は、画面いっぱいの暗闇に、白い布がフワフワと飛び、
右下隅にはこいのぼりのようなヤクの目が一個だけ写っているという、
なんとも妖怪チックなものであった。

舞台が終わり、またバルコルを歩いて駐車場へと向かう。
PM8:00でも、まだ明るい。
バルコルは、観光客相手の顔から、一気に地元人を対象とした夜の町並み
へと装いを変え、また新たな側面を見せる。

暮れゆく中、五体投地を繰り返す人々。
TV番組のワンシーンみたい。
でも、今、現実に私は、そのワンシーンの中にいる。

12年来の夢であった西藏、ラサ。
そして格多との再会。
(願いが叶う時って、まるで連鎖反応をおこしたみたいに、いっぺんに
 叶っちゃうもんなんだなぁ・・・。)

明日は、いよいよ海抜4,800mへの挑戦。
1日ぶりにお風呂にも入り、身も心もスッキリして体調を調える。

そーねいと私、感動と満足感でいっぱいになりながら、この長く、密度の
濃い今日1日を終わらせたのであった。

つづく♪
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