2005年ごろの編集後記から

先週土曜日夜、NHKで、わが国で貧富の差が広がっているということで、
格差社会」という名前の特集番組がありました。
というか、格差が少ない幸せな?十数年はわが国の歴史上でもきわめて
まれだったのかもしれません。
所得格差がけしからんとなれば共産主義にするしかないとないわけですが
たぶんここで語られた問題は閉塞感と敗者?(お金がないと敗者かどうか
の議論はここではしませんが、少なくとも生活できる程度はないといけな
いと思います)復活の仕組みが整っていないということなのでしょう。

番組では格差の悲惨さ?を浮き彫りにしていて、このままだとどうも問題
の矮小化が進んでしまう気がします。もともと、思いもつかない社会的、
経済的リスクが増大しているという近代におけるリスク社会化というのが
社会学的な原点だったはずですが、日本では(NHKでは?)、所得格差
の拡大の文脈で語られることが多いようです。階層の固定化についても
もっと突っ込んでいけばいいのですが、世襲議員の圧力を感じますかね?

最近急速に成功した企業経営者(ホリエモンもいましたね)が何人か出て
いましたが、どうもウオーミングアップもそこそこに成功をつかんでしま
った薄っぺらさは拭えませんでした。もちろんテレビの演出による誤解だ
と思いたいですし、これからまだまだ人間の資質も磨かれるとは思います
が、いわゆる社会弱者への思いやりのコトバが聞かれないのは残念でした。

社会にどう貢献するか、社会がどう変わればいいか、がもっと理念の根幹
にあってもいいと思うのです(あるのかもしれませんがテレビを見ただけ
の印象批評ですのでご容赦を)が、誰もが富を得れるチャンスがある、
その程度のことで心を動かされるには私も年をとったようです。
そう、ついこないだ大台に乗りましたし(じんわりショック)。
それに、同じような風景を過去にも目撃しているわけですから。

社会や政治の問題がすぐ矮小化してしまうのは個人にも企業にも哲学が
欠けているからではないでしょうか。哲学といっても、別に難しい言葉
を並べる必要はありません。一言信条でぜんぜんOKだと思います。
会社の仕事で言えば、得た利益をどう使うか、なんのために留保するか
に哲学が問われるように思います。

以前勤めていた会社では(北京で元同僚に会ったので思い出したので
すが)企業理念を魚釣りにたとえていて、聞けば誰でも覚えられるシン
プルなものでした。その一節に「釣った魚を独り占めにしない」と
いうのがありました。私は会社自体はあまり好きではありませんでした
し、そのフレーズは所謂友好商社として相手の国家に貢献する寄付等を
意味する面もあって、当時はちょっと嫌悪感がありました。が、利益は
還元すべきものという一般的解釈ができますから、いまではそのフレー
ズが気に入っています。時々思い出して、自分の行動について自省した
り判断したりしています。そのことが自分たちの(物心ともに)豊かな
現在そして将来につながるからです。まだまだコトバだけで実践は足り
ませんから、いつも反省ばかりですが・・

国の外交でもおとしどころを探るばかりでは周囲の国も不安になること
でしょう。賛否はあるでしょうがわが国の社会が右傾化しているのは疑
いようがないわけで、小泉さんがそうしたいなら(私は賛成していませ
んが)、信条を語り理解してもらう努力が必要です。国民は国家の意思
を代弁する必要はなく、自分独自の考えを常にまとめておく必要はある
と思います。特に外国にいるといやでも必須ですね、うんざりする現実
に向き合っている皆さんは重々承知だとは思いますが・・。
ということで一応仕事と関係する一段を無理やり付け加えて(苦笑)
脈絡の無い感想をずらずら書いてしまいました。すみません。

世の中はともかく、春の陽気を皆さんも感じていると思います。
楽しい週末をお過ごしください。

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