中国の車市場編

私がまだ留学生マンションに住んでいたころ、
付近の道路が2キロにわたって4車線を6車線に拡張することになった。
私の住むマンションの一部と駐車場が半分、道路になるという。

その付近一帯には、一斉に張り紙が張られ、
「×月○日までに立ち退くこと」と書いてあった。
しかも、その紙が張られた日から最終撤去の日まで、
猶予はわずか2、3週間だったのだ。
そして、その紙と前後して、叩き壊される対象となる場所には、
壁や窓に、”拆”と、赤いスプレーで記入された。
私の住むマンションの一部も赤く叩き壊しマークがスプレーされ、
残される部分との境もマーキングされていた。
なんだか、住民として、とーってもイヤな気分にさせられた。
そして、マンションの道路側に突き出た部分は壊され、
門も取り壊されて庭にあった駐輪場は道路と化したが、
マンションそのものは存続したから私は引っ越さずに住んだが、
友人の住む近くのマンションは、全部が取り壊し対象になったため、
契約期間内だったにもかかわらず、引越しを余儀なくされていた。
中途半端な時期にマンションを探しても見つからないため、
住むところがなくなった彼女は友人宅を転々として、その学期をしのいでいた。

その取り壊される道路沿いのお店も一斉に閉店セールを始め、
良く利用していたお茶屋さんも、商品を半額で投売りしていた。
「どこに移転するの?」と聞くと、まだ移転先が決まっていない、
もう田舎に帰るかもしれない・・・と言っていた。
政府は「×月○日までに立ち退きなさい」と、言ったものの、
代替店舗を用意してくれるわけでも、
住まいをあてがってくれる訳でもないらしい。
中には保証金ももらえない人もいるようだ。
自己所有のマンションなどの場合は、平米あたりいくらと計算し、
お金が支給されるようだが、そのお金で同じ広さのマンションを
購入しようと思ったら、とても足りない、郊外へ行くしかないんだ、と
ローカルスタッフはこぼしていた。

この目覚しい発達と道路拡張やマンション建設は、
一般国民を有無を言わせずに撤去させることができる、という
大前提のもと、ガンガンと進められているのだ。
社会主義でなければ、この速度での開発は不可能だったに違いない。

                     (車市場編おわり)
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