ハルピン諸々

地元の人にどこか面白い所はないかと聞いたら、晴宇街がいい、と教えてくれた。
中央大街から北東に2キロほどの所で、中央大街と同じくロシア風の建物が並ん
だ通りなのだが、晴宇街のはどれも、せいぜい3階建てほどのこぢんまりとした
建物ばかりだ。
どの建物も派手な装飾は施されておらず、質実剛健といった感じだが、かえって
ノスタルジックな雰囲気がある。
横丁に入ると、一体いつからここに建ってるんだろう…と考え込みたくなるよう
な、黒ずんで古ぼけた建物がいたるところにあり、歴史を肌で感じることができ
る。
ここをお薦めしてくれた彼女は、中央大街のように商業化していない所がいいの
だ、といっていたが、いつかこの通りにも、商業化の波が押し寄せ、すっかり新
しい街に変わってしまうのかもしれない。

少し、食べ物の話を…

行きの列車の中で、ハルピンの人に何が美味しいかと聞いたら、「これといって
ない」とあっさり片付けられてしまったので、食べ物に関しては、大抵のガイド
ブックに載っているほどのことしかわからない。
我々がハルピン滞在中いちばんよく食べたのは、「老上号」というチェーン店の
スープだろうか。安くて美味しいと言う点で、満足度はかなり高い。
豚のこってりしたスープなのだが、寒い中を歩いていると、ついつい恋しくなる。
もちろん、いろんな一品料理や、主食の種類も充実しており、中国のガイドブッ
クに言わせると「正式なファーストフード」だそうだ。
つまり、注文用紙に自分でチェックを入れて注文し先に支払をするという形態は
ファーストフードだが、料理はきちんとしたレストラン並み、ということのよう
だ。
値段も、中国で最も流行っている米国資本の某ファーストフードと比べると、
ずいぶんお買い得感がある。

中央大街のロシア料理の老舗「華梅西餐廳」は、言わずもがな。
96年に初めてハルピンに行った時からお気に入りだったので、今回は真冬に暖
かいボルシチを食べるのを、何より楽しみにしていた。
それから、先にも少し紹介した「馬迭爾賓館冷飲部」。
みなアイスクリームやヨーグルト、小吃などを食べているが、パンだけを買いに
来る人も多く、焼けるのを待っている人で店内がにぎわっている。
地元の人が行列を作って買う物には絶対ハズレがない…やはり、この大原則は
ここでも正しかった。ここのパンも、何度も食べたもののひとつだ。

もうひとつ、−10数℃の路上で食べるアイスキャンディーも、印象的だった。
決して特別美味しいとは感じなかったが、道端で冷蔵庫に入れずに売られている
のが珍しく、ついつい買ってしまうのだ。
アイスキャンディーに関しては、馬迭爾賓館冷飲部のものよりも華梅西餐廳の
ものの方が濃厚だ、というのが個人的な意見だ。

                      (つづく)
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