山ちゃんが行く

青海省編

橡皮山 ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^そんなことはさておき、我々を珍しがったチベット族が数人、少し離 れたところからこちらを見ている。 少し警戒した感じであるが、自分達の生活圏内によそ者がいきなり入 り込んできたのだから、当然の反応である。 唯一知ってい…

青海省編

都蘭から青海湖方面に戻る途中、橡皮山でバスを降りた。 行きに通りかかって、青海湖を見下ろす景色があまりにきれいなので、 是非ゆっくり散策してみようと思っていたまさにその場所である。 見下ろす青海湖ばかりではない、この辺りの草原は、 みずみずし…

青海省編

熱水吐蕃墓郡(都蘭) ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^熱水吐蕃墓群といっても、 高さ20メートルほどの丘が幾重にも繋がったように山沿いに並ん でいるだけである。 もし「熱水吐蕃墓群」と書いた標識が前に立っていなければ、 誰もそれが陵墓であることに気づかないよ…

青海省編

熱水吐蕃墓郡(都蘭) 西寧に滞在中、青海省博物館で熱水吐蕃墓群出土のシルクの断片を見た。 その吐蕃墓が作られた時代は、ちょうど盛唐期にあたり、 今でも色鮮やかなシルク片は、 唐の高度で華やかな文化を垣間見ることのできる遺物といえよう。 このシル…

青海省編

チャカ塩湖 ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ 車窓には遠くに真っ白な湖が見え始めた。 チャカ塩湖である。 ほどなくチャカの街に到着。 チャカ塩湖から採れる塩がこの街の主要産業で、 塩湖と製塩所以外には大して見るものもない。 バスを降りると、 通りの横に「面的…

青海省編

チャカへ ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ 翌朝、「10時頃に西へ向かうバスが通る」と聞いていたので、 羊肉湯と花巻の遅い朝食を食べた後、招待所の前でバスを待つ。 しばらくして、Tシャツ姿の若者が近づいてきて、「どこに行くの? ゴルムド?」と聞く。 我々が「チ…

青海省編

日月山から151へ さて、我々の読みの甘さで日月山まで一時間以上歩く羽目になったこと は先に書いた。 日月山観光を終えた我々は、今さらながらもうひとつの大問題に直面する ことになる。 もともと我々の計画では、共和行きの路線バスを日月山で下車して観…

青海省編

日月山 青海湖に向けての道中、見逃せないのが日月山である。 青海湖の東側に位置する。 文成公主という唐のお姫様が吐蕃(チベット)に嫁入りする時に通った 峠として中国では知らない人がいないほど有名である。 日月山へは、青海省博物館のある新寧広場近…

青海省編

西寧市 さて、西寧に着いて早々に我々が向かったのは、東関清真大寺である。 東関清真大寺は街の東の方に位置し、その周囲は回族やサラール族が多 く居住するイスラム街となっている。清真大寺の周りでは礼拝の時に使 う敷物やポット、コーラン、白帽などが…

青海省編

西寧市 西寧市一帯の地域は、漢の武帝の時代にその版図に取り込まれて 以来、中原の安定を左右すると言われるほど重要な場所であった。 というのも青蔵高原は古くは羌族、後に吐谷渾・吐蕃と、異民族の 勢力が強い土地柄だからだ。 現在の西寧市に往時を偲ぶ…

青海省編

出発前、私が青海省と聞いて思い浮かぶのは青海湖ぐらいで、また、 その省都「西寧」についても特に何の印象も持っていなかった。 果たして北京から24時間も列車に揺られて行くに値する所なのだろうか、 と疑問にすら思っていた。 一方ダンナは、羊肉がおい…

寧夏・内蒙古 編

フホホトへかなり盛りだくさんだった包頭から、次の目的地フホホトへも、やはり バスでの移動である。直行バスに乗り、快適な高速道路の旅はたった 1時間半で終わった。 フホホトは内蒙古自治区の区都であり、さすがに人の集まる都会なわけ で、久しぶりに…

秦直道 (後半)

車は轍沿いにしばらく進んで、轍が無くなったあとは道なき道をがたがた 揺られながら走った。 幹線道路と垂直方向に5、600mほど行った所で止まり、一同は皆車から 降りた。 女性が指差した道路の方向を見ると、彼女のいうとおり、雨で浸食され谷 になっ…

寧夏・内蒙古 編

秦直道 (前半) 包頭の近くに、もう一カ所始皇帝にからむ遺跡が残っている。 我々も、ガイドブックを閑に任せて読み漁っていて発見するまで全く知 らなかったのだが、「秦直道」というものである。 ガイドブックによると、始皇帝が作らせた西安〜包頭間の高…

寧夏・内蒙古 編

秦代長城翌日は、秦代長城を見に行った。秦代長城は、包頭から北に60KMほどの ところにあるが、ここへは包頭から固陽まで行き(1時間半)、そこで興 順行きのバスに乗り換える。 バスは固陽を出るとしばらくは起伏の緩やかな道を走るが、20分ほどた っ…

寧夏・内蒙古 編

チンギスハン陵包頭周辺での我々の目的地は、チンギスハン陵・秦代長城・五当召などで あったが、包頭到着の翌朝、当日の目的地を定めないままバス事情を調査 しようとバス駅に行ってみた。 すると、8時30分の「楡林」行きバスがチンギスハン陵を通るとい…

寧夏・内蒙古 編

包頭へ 包頭行きバスは、銀川興慶区の北のはずれにある旅游汽車駅を予定通りの 6時20分に出発。どうやら我々が乗ったのは慢車(鈍行)だったようで、 包頭までの約600kmを、12時間ほどかけて走った。この12時間の間、バスの中では1枚のCDが繰り返…

寧夏・内蒙古 編

沙坡頭 もう一か所、銀川から日帰りで訪れた少々興味深い場所は、銀川からは 15kmほど南西にある沙坡頭旅遊区である。ここは、黄河が大きく湾曲 している場所であり、そのために堆積した砂が砂丘を造っている地形が 特徴的である。寧夏交通旅遊図には、沙…

寧夏・内蒙古 編

百零八塔 ひとつ目は、銀川から60?ほど南にある青銅峡の百零八塔(108塔)。 百零八塔は、黄河の西岸に作られた108基の仏塔であるが、塔の配置が ユニークで、対岸から眺めるとまるで雛壇にのっているかのようである。 一番上の段には1基の塔、その…

寧夏・内蒙古 編

西夏王陵 銀川観光の目玉といえば、西夏王陵だろう。 寧夏・銀川と聞いて何の印象も持たない人でも「西夏」と聞くと「おゃ?」 と思うのではないだろうか。 そして「おゃ?」と思った人の大半は、映画化もされた井上靖の歴史小説 『敦煌』を読んだことがある…

寧夏・内蒙古 編

海宝塔 市内の観光案内は例によって市販のガイドブックに譲って、次に、海宝塔 を観光中に出会った職人さんの話をしよう。海宝塔は、仏教を信仰してい た大夏の国王、赫連勃勃が建立したという記述もあり、これが事実だとす ると5世紀始めに建立されたとい…

寧夏・内蒙古 編

銀川市内へ 旧市街にある見所は、鼓楼・南薫門(南門)・玉皇閣・南関清真大寺・承天 寺塔(西塔)・海宝塔(北塔)などだ。海宝塔が2?ほど北に離れているこ とを除けば、すべて24平方?ほどの興慶区と呼ばれる市の中心地にひしめ き合っている。 中華風建…

寧夏・内蒙古 編

銀川へ 今回は、寧夏回族自治区と内蒙古自治区の旅だ。 このところ、中原とその周辺の漢文化圏を旅することが多かったので、 かつての辺境、漢文化と異民族文化が交錯する地への旅は、出発前から いつもと違う新鮮さで溢れていた。モンゴル語会話集は準備し…

河南編最終回

【洛陽】 洛陽はメジャー観光地なので、我々の出番ではない。 ガイドブックを見ればOKだ。 ただ、案外穴場なのが、西大街である。ここでは、細い一本の通りをまる まる昔風の造りにしてあり、全ての店の軒先に「幌子」(看板代わりに店 の軒先に吊るす、実際…

「河南」編

メン池県 三門峡市から洛陽へは、バスを利用した。というのも、途中、歴史の 教科書でお馴染みの「仰韶文化」(いわゆる“黄河文明”)遺址を見 るためである。もっとも、訪れる前から、見るべきものは何もない、 ということは知っていたのだが・・・。 仰韶村は…

高考

三門峡市滞在中、夜テレビを見ていると、ニュースで明日から始まる 「高考」の期間中は、市内のバスは、受験票を見せれば無料で乗れます、 ということを言っていた。 我々にはあまり縁がないが「高考」といえば、国を挙げての一大行事で ある。 いや、縁がな…

三門峡市

開封から三門峡市への移動は、いったんバスで鄭州に戻り、鄭州〜 三門峡市間は鉄道を用い、鄭州と西安を結ぶ2階建て車両の火車を 途中下車することにした。 参考までに、鄭州〜洛陽間:1時間半、〜三門峡市間:3時間半、 〜西安間:7時間。 車窓の風景は、や…

開封

さて、寄り道を重ねてようやく開封の街に着いた。 開封は、比較的有名な観光都市でガイドブックも充実しているし、 こまごま紹介するのはやめるが、全体的な印象としては、かなり好感 度の高い街だ。個人的には、街中にいくつもある湖で、ゆっくり釣り をす…

河南編

鄭州の次の目的地、開封へは、本来なら高速バスを利用するのが便利 である。快適な大型バスだし、高速道路を通って2時間弱で到着する。便数 も多い。 しかし、我々は三国時代の大戦で知られる「官渡」を見るべく、東駅発の 中牟県経由の開封行き低速バス(普…

小麦の収穫  

我々が河南省を訪れたのは、ちょうど「芒種」の頃。 「芒種」とは、文字上の意味では「芒(のぎ)のある作物を植える」つまり、 イネを植えることを指す。ただ、もともと黄河中・下流域の天候にあわせて 作られた二十四節気における「芒種」は「ムギを刈りイ…