ハルピン諸々 

そういうわけで、我々のハルピン滞在は延びてしまい、元宵節をハルピン
で過すことになった。元宵節とは、春節後の最初の満月の夜に、一家団欒
で元宵(もち米の団子)を食べたり提灯を飾ったりして祝うお祭りだ。

その日の夜、我々はまたも中央大街に足を運んだ。何かのイベントのある
日は中央大街がライトアップされるらしい、という根も葉もない噂を信じ
て行ってみたのだ。
果たして、特別にライトアップされる事はなかった(いつも一部の建物は
ライトアップされている)が、ひっきりなしの花火と、溢れんばかりの人
の波を見ることができた。正月気分の締めくくりにやけくそで上げている
のか、景気のよ過ぎる花火には、少々度肝を抜かれた。
汗をかいてうちわ片手に見る花火とはひと味違って、白い息を吐きながら
冬の夜空に見る花火も、新鮮で格別だ。こんなふうにお祭り気分を楽しめ
たのも、北京行きの切符が手に入らなかったお陰だと、自分を納得させて
北京に戻ることができた。

「寒くて我慢できなかったら、すぐ逃げて戻って来よう…」と思っていた
くせに、すっかり長居してしまった真冬のハルピン。今回の旅行は、“初
めて”のことや“思いもよらない”ことばかりで、とても新鮮だった。今
までの、寒い=厳しい・辛い、という暗いイメージは一掃されて、寒い=
楽しい・美しい、というプラスのイメージに変わったし、すっかりハルピ
ンという街が好きになった。

そして、北京に帰ってくると、まだ最高気温が0℃程度だというのにやた
らと暖かく感じた。さすがに10℃以上の温度差は人の寒暖に対する感覚
を完全に変えてしまうようだ。もっとも、すっかり厚着に慣れてしまった
我々は、普通の北京人よりいささか多めに着込んでいるようだったが…。


ハルピン 20回国際氷雪節  http://www.harbin-ice.net/
ハルピン日報 氷雪節  http://www.harbindaily.com/2003/20031223/
ハルピン氷雪大世界  http://www.hrbicesnow.com/

                      (ハルピン おわり)