朋友達との再会(8/16)

バスはホテルのあるラサ市内にむけて、一路、走り出す。
偉 「青いケシの花ってどれ? あったら教えて。」
23才「うん。あ、バス、止めて貰えますか?
写真撮りたいんですが・・・。」
候 「分かりました。花、見つけたら言って下さい。」
今度はウネウネと曲がりくねった下り道を、バスはジェットコー
スターのようにすっとばして降りていく。

23才「あっ!! あそこっ!」
あまりのスピードで、思わず行き過ぎてしまったバスの運ちゃん、
慌てて高速バックで山道を逆走する。

花は、断崖の上に2〜3株づつ、固まって咲いている。
その中でも崖の上の方に、形の整った、比較的きれいなのが咲いて
いて、それを写真に撮ろうと、23才、藏族の民族衣装のまま崖をよじ
登る。
一眼レフの、い〜いカメラで激写するのを見ていたら、つい私も撮り
たくなってしまい一緒になって崖を登る。

と、そこまでは良かった。
崖の上から景色を眺める余裕すらあった。
問題は降りる時。調子に乗ってヒョイヒョイ降りていき、最後は
面倒になってある程度の高さから一気に飛び降りた。

「ふぅ〜っ・・・。」
と息をついた途端に、激しい動悸、息切れ、めまい。
(やばい・・・。)
慌てて深呼吸を繰り返し、バスに戻って酸素を吸う。が、こともあろ
うにもう酸素がなくなっているではないか!
(こういう時に限って!!)
鼻息程度しか出ない酸素マスクを必死に吸えば吸うほど頭痛は激しさ
を増し、
(これはマジでヤバイ。でもだいじょうぶ、だいじょうぶ。。
絶対平気!)
と、精神論でなんとか乗り越えようとするが、案の定、無理。
しかも帰り道は、曲がりくねった急な下り坂。
いろは坂で毎回、車酔いする私が、この悪路で酔わない訳がない!
もはや、高山病で気持ち悪いのか、車酔いなのか判らない状態。
車酔いならば寝てしまうのが一番なので、ムリヤリ目をつぶり、
強引に寝てしまった。

フト、目を覚ますともうラサ市内に入っていた。
どうやら本気で寝てしまっていたらしい。
体調はというと・・・。

はっきり言って良くない。
今思えば、寝てしまうと呼吸は最小限となり、体内の酸素量も減って
しまう訳で、高山病の時は安静にはするけれど寝てはいけなかった
はず。
証拠に朝、起きた瞬間が一番、調子が悪いではないか。
(つづく)
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