三門峡市

開封から三門峡市への移動は、いったんバスで鄭州に戻り、鄭州
三門峡市間は鉄道を用い、鄭州西安を結ぶ2階建て車両の火車
途中下車することにした。
参考までに、鄭州〜洛陽間:1時間半、〜三門峡市間:3時間半、
西安間:7時間。
車窓の風景は、やはり麦畑と麦畑をバリバリ刈り進むコンバインで
ある。
もちろん、三門峡市までは、高速バスでも行けるし、それも便利だ。
何でも最近、鄭州西安間の高速道路開通に伴ってこの区間の高速
バスも運行を開始したようだ。

三門峡市もまた、ここ数年で大きく発展したようだ。
7年前に訪れた時は、恐ろしく田舎だと思ったが、今回は、そこそこ
何でも揃った中規模の都市といった感じがした。

まずは、三門峡ダムへ。三門峡ダムまでは、黄河に沿って走る新し
い道路ができていた。路線バスに乗ること40分ほどで到着。ダム自体
は敢えて見る価値もないが、途中の風景は黄土大地を実感できるし、
美しい黄河ダム湖も一見の価値ありだ。
かつてはこのダムも、黄河第一堰と呼ばれた国の一大プロジェクトで
あったが、完成早々から泥の排出などで何かと問題の多いダムである。
最近では、すっかり長江の三峡ダムの陰に隠れてしまっているが、そ
れらの問題が解決された訳ではない。

三門峡市の見所は、2003年に新しくオープンした「カク国博物館」だ。
この街には不釣合いなくらい立派な博物館だ。市内北部、黄河に面し
た北上村?で発見された車馬坑と墳墓の上に建てられた博物館で、本
物の墓・車馬坑を見ることができる。
また、墳墓から出土した数々の副葬品の展示は、どれも素晴らしく見
るものを圧倒する。
中国古代史に感心のある人は必見だ。
ちなみに、カク国というのは、周の文王の兄弟が奉じられた国で、西
周の晩期から春秋時代の比較的大きな邦国のひとつだ。
その頃、日本はやっと縄文時代である。

市内にはもうひとつ、春秋路の北側に、以前から公開されている「カ
ク国車馬坑博物館」がある。
新しい博物館ができたおかげですっかり影が薄くなった感じだが、な
んとこの博物館の片隅で"すごい"物を発見した。
かつて陝州の関帝廟にあったという「関羽試剣石」だ。
大人が抱えてちょうど手が回るか回らないかぐらいの大きさの黒っぽ
い石で、形は少し偏平な円形である。確かにこの石を割ろう(切ろう)
とした跡がある。
こういう物は、どうせ嘘でしょ・・・と、ケチをつけるより「関羽が切り
つけたのだ、すげぇ〜!」と切れ目を撫ぜながら信用するのがよい。
他に「王精衛」夫妻の石像というのがあった。
あまり芸術的でないこの石像、どことなく笑いを誘うような顔をして
いるが、どうやら、後ろ手に縛られ跪かされている。
杭州岳飛廟の「秦檜」夫妻像と同じ格好である。気になって博物館
のおばさんに聞いたら、いわゆる"売国奴"だそうだ。1938年に日本軍
とグルになって悪事を働いたそうだ。この手の像は当人を辱めるため
に作られている。もともと唾をかけたり、殴ったりするのが目的だ。
「殴ってもいいの?」と聞いたら、おばさんは「いいよ」と笑ってい
たが、この夫妻は、誰からも相手にされないのか唾をかけられた跡も
殴られた跡もなく美しいまま、ひたすら跪いている。

三門峡市内の西端に、三門峡風景区と呼ばれる公園がある。
かつての陝州城跡に作られているそうだ。黄河に面した公園で、手軽
黄河を見るには便利だ。公園自体は入場無料、甘棠園・宝輪寺塔な
どを見学する場合のみ、各々入場料が必要だ。
 ここは、ぜひ夕方涼しくなってから(寒い時期はお勧めできないが)
出かけたい。公園の入り口附近に数件の貸し自転車屋があり、1人乗り
・2人乗り・3人乗り、跨らずに坐って乗るタイプ等々、いろんな自転
車を貸してくれる。夕涼みにのんびり自転車を走らせ、黄河を眺めに
行くのがよい。
公園内は、歩いて全部回るには少々広すぎるし、かといってシャカリ
キに自転車を漕いで移動するほど広くもない。
つまり、何となくサイクリングをするのにちょうどよいぐらいの広さ
なのだ。
余談だが、我々は初めて2人乗り自転車に乗った。
最初、慣れないので多少怖い思いもしたが、思いの外、快適である。
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