お土産

「先生!黄晋ですけど!」
「ああ、黄晋さん」(おしゃべり大王の生徒より電話あり。
歴史オタクでもあるので、歴代の皇帝について語らせたら立ち話
4,5時間は軽い。しかも日本語で。)
「この前、私達たくさん料理を作りましたね。次の日は3組の人
達がたくさん先生のお宅に、お邪魔したと聞きましたよ。
何を作って食べましたか?!」
(私達?ってはあ?アンタはなんも手伝わないで、べらべらしゃ
べってただけじゃん。)
「いやあ・・・前日の料理が山ほど、まだまだあったからさー、
ご飯だけ買ってきて10人で食べてちょうど食べ終わったよ。
もったいないから。無駄にしないでよかった。」
「ええっつ!!!ダメですよ!先生!ダメ!ダメ!悪いですよ!」
「はあ?な、なにがよ?」
「残った物を他の人に食べさせるなんて、ダメです。中国人には
絶対ダメダメ!悪いことしましたよ!先生は。失礼ですね。
とっても悪いです。」
(ああ、確かに料理をわざと余らずのが礼儀だったんだっけ・・・)
「ええ・・・でもさー、悪いでしょ?※範さんとか、蒙さんとか
(くれぐれもあんたじゃないよ。)一生懸命あんなに美味しい料理
をたくさん作ってくれたものを、捨てることはできないでしょう。」
「でもじゃないでしょう。先生は本当にマナーに違反しました。反省
してください!」
「いいじゃん!もう、うるさいっつ!」(←自分、大人気ないですね
・・・)
「だって、事実でしょう!」
(毎度毎度のことながら、日本語でこんなべらべらやられると・・・
まいるは・・・もー。)
「はい。じゃあ、もう、黄晋さんは遊びに来ないでいいです。」
「ええっつ〜っつ!だって・・・ああ!先生!電話した用事は、私は
先生の為に、わざわざ故郷の四川省から、特別な物を買って来ました
よ!値段は高いです!この前、残念でしたけど、持って行くのを忘れ
ちゃったんです。」
四川省といえば激辛な食べ物でしょう。私はあまりにも辛いのは
無理なんだけど。」
「違いますよー!ぜえっつたいにいー!絶対!!先生が喜ぶと思って、
私が自分で選んで買ってきた物ですよ。だから、私は明日先生の家に
行って、ぜひ渡したいんです。先生は喜びますから〜♪本当ですよ!
では、明日お伺いしますね!」
「うーん、明日はちょっと・・・先生、風邪気味だからさあ・・・」
「治るでしょう。大丈夫ね。」
(って、どーして、あんたが決めんの?)
「っふっふっふ。喜びますよ。先生は。」
(うーむ。ちなみに一時帰国前、生徒たちが日本へのお土産にと、自
信満々にくれた物を回想すると・・・持つとふらつく兵馬俑の超重い
プレート、クレヨンしんちゃんの茶器、犬の馬鹿でかいぬいぐるみ、
超巨大な瓶詰めのハチミツセット・・・等等・・・日本へは持って帰
りませんでした。悪いけども。)
で、当日。
「はーいっつ!先生!豚の舌!大きい豚一匹から取った舌全部。」
「・・・・・・・・・。」紅い塊をじっと見詰める私。
「ところで、私は先生に質問があります。
豚の舌の量詞は本ですか、塊ですか?」
「うーん・・・どっちでもいいかな・・・長いから一本でも・・・
ひと塊でもいいと思う。先生は豚の舌を数えたこと無いから、ちょっ
と正確にはわかんないです。ごめん。」
「嬉しいでしょう!先生!」
「うん・・・。」
「貴重な物ですよ!高いです!」
「うん・・・。」

※範さん
範さんは料理上手で、我が家へ遊びに来ると、いつもたくさんの料理
を作ってくれる心優しい女の子です。緊張しすぎて、赤面したりども
ったりで、日本語は上手じゃありませんけど、諦めないで勉強してい
ます。中国語では素敵な詩を作って、夜中にメールしてくれたりする
なかなかのロマンチスト。彼女から今朝、これから手術の為に故郷に
帰って、暫く休学するという電話を駅からくれました。
たいした病気じゃないそうですが、手術の成功を祈りますー。
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