KDDI、ビッグローブ買収 ネット接続2位に(日経)

 KDDIはインターネット接続事業(プロバイダー)大手のビッグローブ日本産業パートナーズ(JIP、東京・千代田)から買収する方針を固めた。KDDIは同業のニフティの買収についても富士通と詰めの交渉に入った。スマートフォンスマホ)の成長が鈍化するなか、ネット通販や電気など通信事業以外の収益源の多角化を急いでおり、ネット接続の顧客基盤を新サービス拡大に生かす。

 KDDIはネット接続(光回線)で国内7位。ビッグローブの買収でNTTコミュニケーションズに次ぐ2位に浮上する。契約者数は約127万件から約370万件に増え、国内シェアは約13%になる。買収額は700億〜800億円程度になるとみられる。

 ビッグローブは2006年にNECが分社し、14年にJIPが約700億円で買収した。JIPは投資回収のため売却先を探していたが、KDDIと大筋で合意。近く発表する。

 ニフティは7月に富士通が完全子会社化したうえで企業向けクラウド事業を本体に取り込んだ。個人向けのネット接続については入札方式で売却を模索していた。すでに候補はKDDI伊藤忠商事など複数社に絞られており金額面の交渉に入った。買収額は200億〜300億円程度とみられる。KDDIによる両社の買収が実現すれば、買収総額は1000億円規模になる見通しだ。

 携帯大手はスマホとのセット販売で割安なプランを提供して利用者を獲得し、ネット接続でシェアを伸ばしてきた。長期利用する人が多いネット接続の顧客を増やすことで携帯の契約者をつなぎ留める狙いもある。

 KDDIがネット接続に目を向けたのはスマホの次の収益源を確保するためだ。同社は物販や電力のほか、生損保や決済サービスなど非通信事業の育成に力を入れている。ネット接続の会員を取り込んでauブランドによる「経済圏」づくりを急ぐ。

 世界の通信大手も「脱・スマホ」の動きを強めている。米AT&Tは9兆円近くを投じて米メディア大手タイムワーナーを買収する計画。ニュースや映画、ドラマなど映像コンテンツを取り込むためだ。ソフトバンクグループも3兆3千億円強で半導体設計専業の英アーム・ホールディングスを買収した。ネットの頭脳となる半導体をおさえて、あらゆるモノがネットにつながるIoT時代への布石を打った。




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