河南編最終回

【洛陽】                         
 洛陽はメジャー観光地なので、我々の出番ではない。
ガイドブックを見ればOKだ。
ただ、案外穴場なのが、西大街である。ここでは、細い一本の通りをまる
まる昔風の造りにしてあり、全ての店の軒先に「幌子」(看板代わりに店
の軒先に吊るす、実際にはここのは全て旗のような物)が吊るしてある。
昔の繁華街の様子を彷彿とさせる。この手の通りはたいてい観光客相手の
骨董・土産・絵画・衣類などを売っているのが常だが、面白い事に、ここ
はなぜか普通の店ばかりで、生活感に溢れている。旅行客とは全く関係の
無い、薬局・螺旋屋・工具屋等々がずらりと並び、そして何故か、この通
りにはやたらと病院が多い。

その中で、唯一観光客の我々が訪れて価値があるのは、何軒もある「水席
楼」だ。「水席」ってどんな料理だろう…と、かなり気にはなっていたの
だが、我々が初めて「水席楼」に入って見たのは、洛陽滞在の最終日。
店内に入って、いきなり、「水席」って何?と聞くと、ウエイトレスさん
もちょっと、答えに窮していたが、「この辺は乾燥しているでしょ。だか
ら…まあ、食べて見ればわかるわよ。」と言われ、よくわからないまま注
文。
我々の入った店は、ありがたいことに、何人用というセットメニューにな
っていて、いくつかある種類の中から好きなものを選べるようになってい
た。

出てきた料理を見てわかったことは、「水席」というのは、一種の宴会料
理で、全ての料理がさながら食べるスープのようになって供されるものだ
ということ。そして、それが、乾燥した内陸の気候にはぴったりだという
こと。
我々の目にはどれもスープだが、彼らによると一連の水席の料理の中にも、
熱菜と湯(湯は中国語ではスープを意味する)の区別があるようだ。ちな
みに我々が頼んだ2人用セットは、熱菜二品・湯一品・饅頭2個と、ちゃ
んと湯がついていた。

安い店なら、2人セット十数元から、比較的高い店で大人数の大宴会を開
いても数百元だろう。お買い得なうえに、非常においしい。たかがスープ
でしょ…と、侮っては行けない。この土地で、この料理が生まれたのには、
ちゃんとそれなりの理由があるのだ。ここに来て食べればすぐわかるのだ
が…。洛陽にいったら、西大街で水席をお薦めする。
我々は滞在最終日に初めて食べたことが悔やまれる。もし初日に食べてい
れば、あと数回は味わっていただろう。

 今回訪れた河南省のいくつかの都市は、どこもメジャー観光地とマイナ
ー観光地が交錯する楽しい街だった。時間の関係、興味の有り無しで、訪
ねないままに終わってしまった所もたくさんある。近いうちにまた来たい
なぁと思いつつ、早朝、洛陽から鄭州へバスで移動し、鄭州のバスターミ
ナル内でそのまま北京行きの長距離バスに飛び乗った。そして、十数時間
のバスの旅の末、ようやく夜7時頃北京六里橋のバスターミナルに到着した。

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「山ちゃんが行く」「河南」編は今回で終了です
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