仕事探し

帰国を目前にして、日本に帰って何をするか・・・を
まだ具体的には決めていなかったが、できれば、
通訳や翻訳などに従事したいなぁ、と漠然と思っていた。
そのため、辞書はいくらあっても困らないので、辞書や書籍関係だけで
ダンボール箱で、何箱分も送り、今でも重宝している。
日本に帰ってからのイメージとしては、中国語の需要があるけれど、
専任スタッフを雇うほどではないような、
中小企業をターゲットにした”隙間産業”を目指そうかな、と、
漠然とイメージしていた。
どこかの会社に社員として勤めるという選択肢は外すことにした。
中国に行く前の、忙しいだけの単調な日々の繰り返しは性に合わないし、
あと、なんのために留学したの??というような情況も避けたい。

中国語が活かせて、変化があって自由の利く仕事・・・
これに高収入という条件を加えると、
「そんな美味い話あるわけない!」と思うが、
収入にこだわらないのであれば、なんとかなりそうではないか!
こうやって色々考えると、
やはり隙間産業がベストのような気になってくる。
当時、母は「そろそろ帰ってきたら?」と頻繁に口にしており、
幸いにも実家に帰れば、少なくとも飢えと寒さはしのげるので、
最少でも自分の年金と保険が払えるだけの収入を確保できれば良いのだ。

私はハナからパラサイトするつもりで帰国したが、
兄弟も独立して家庭を築き、
両親は定年退職し、祖母と老人クラブ状態で暮らしていた我が家では、
私の帰国・同居は大歓迎であったようだ。

でもさすがに、何のあてもなく帰国するのは、
いくら当面の衣食住が見込めてもやはり不安であるので、
中国で帰国準備の傍ら、
ネットで在宅の翻訳者募集の情報などを探し、
実務経験の年数など条件を満たしているところに、メールを送り、
トライアルをしたり、履歴書を送ったりと、
帰国に先駆けて、ネットを使ってコンタクトを取るなど、
積極的にアクションを起こしたりもした。

北京のボスも、
帰国後は外注として翻訳を出してくれる事を快諾してくれたため、
わずかでも人民元の収入は確保できたが、
日本で暮らすには、日本円が必須なのだ。

ネットで在宅翻訳者を募集しているところに、
かなり沢山メールを送ったが、
反応があったところの方が断然少なかったように思う。
トライアルの連絡が来たところ、なんらかの反応があったところは、
4分の1程度だっただろうか。
中国語の在宅翻訳者の需要そのものが低いのかもしれないし、
すでにある程度の在宅翻訳者を確保しているところが大部分なのだと思う。
そんな芳しくない情況の中で、実家から比較的近い会社2社が、
帰国後面接に・・・との連絡をくれ、帰国後に面接に行ったところ、
この2社は不定期だが、
今にいたるまで断続的に仕事を出してくれる。
しかし、面接した2社以外で、
実際に仕事の話が来たところは非常に少ない。
思うに、たとえ在宅翻訳者といえども、顔の見えない相手よりも、
実際に面接をして、話をした相手の方が安心なのだろう。
私だとしても、メールのやり取りのみの相手に仕事を出すのは
不安だと思うので、この心理はよく分かるような気がする。
                    (続く)
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