寧夏・内蒙古 編

チンギスハン陵

包頭周辺での我々の目的地は、チンギスハン陵・秦代長城・五当召などで
あったが、包頭到着の翌朝、当日の目的地を定めないままバス事情を調査
しようとバス駅に行ってみた。
すると、8時30分の「楡林」行きバスがチンギスハン陵を通るというこ
とで、大慌てで切符を買ってそのままバスに飛び乗る羽目になった。なお、
直接チンギスハン陵に行けるバスは1日3本ほどあり、我々が乗ったバス
以外には、午前8時と午後2時だということだった。
途中、オルドス市の東勝区までは立派な高速道路を通り、そのあとは国道
なので少々スピードダウンするものの合計2時間半ほどで到着。車掌さん
が指差してくれた方向に歩くこと数分で、陵墓の入り口だ。やはりここも
ご多分にもれず観光化が進み、近くに宿泊施設や娯楽施設まである。観光
客を当て込んでか、7月末の数日間駐車場裏の草原でナダム祭をするとい
う貼り紙がしてあった。チンギスハン陵へのアクセスが意外にも簡単で便
利だったことに我々は少々驚きつつ、いまどきの中国の観光開発の凄さを
実感した。

西夏との交戦中に病死したチンギスハンは草原に埋葬され、正確な墓の場
所はわからないとされている。そして我々が見ているチンギスハン陵は、
彼の霊を祭るために部族の人たちが延々と守りつづけてきた廟を新中国成
立後に整備し直したものだそうだ。最近、チンギスハンが埋葬された墓が
発見されたというニュースもあったが、どうやら違うということだ。
廟の建物は、正殿を中心に左右に配された東殿と西殿が廊下でつながって
おり、モンゴル帽のような丸い格好の瑠璃瓦の屋根が特徴的だ。もちろん
内部の見学も可能であり、この正殿にはチンギスハン像が祀られている。
この日は、さわやかな天気で空気も澄んでいて、広大な草原を馬にまたが
り風の如く駆け抜ける英雄を思い浮かべるには、うってつけの日だった。
我々のチンギスハン陵観光も至極満足のいくものとなり、3時過ぎにはチ
ンギスハン陵を後にした。帰りは、直接包頭に行くバスが見つからなかっ
たので、東勝で乗り換えになったが、それでも3時間ほどで戻って来られ
た。


                       (つづく)
中国ビザ 航空券 港華