仕事探し

警察の仕事は、逮捕が早朝とか、
夜、踏み込んだりすることが多いようなので、
例えば朝8時に電話がきて、じゃあ9時に来てください、
とか10時に××署のロビー集合で、といった
予測不能の、急に呼び出される、超?突発的な仕事なのだ。

仕事は原則として、来た順に受けており、報酬に目がくらんで、
先約をキャンセルするわけに行かないので、
ほぼボランティアのような割りにあわない仕事が入っていて、
割高な仕事を断らざるを得ないことも多々ある。

ちなみに、警察の通訳などは、逆恨みを買ったり、
脅迫を受け取ることもあるそうで、それなりのリスクもあるらしいが、
現時点では、特にそういった目には遭っていない。
どちらかというと、被疑者がやたらと友好的で、面食らうことも多かった。
私がもし逮捕されたら、取調べとか、めちゃめちゃイヤだろうなぁ、と
思うのだが、人によっては、取調べの時間を心待ちにしているのだ。
「ねぇ、明日も来てくれる?、明日は何時に来てくれる?
一日の楽しみは取り調べだけなのよ?」とか言われても、
本当にリアクションに困ってしまう。
彼らにとって取調べは、母国語で話せる唯一の時間なのだ。
気持ちは分からなくもないが、「友達ちゃうで?」とか、思う瞬間である。

警察の取調べ通訳といっても、そんな凶悪犯ばかりではないのだ。
むしろ、所轄の警察署なので、軽犯罪が多く、
不法滞在とか不法就労とかも多い。
強盗傷害とか、物騒なのは、ほとんどなかった。
一応、若い女性(いうほど若くないが通訳の中では若い方なのだ)には
コワモテの強盗とかの通訳は振らないのかもしれない。
これまで受けたのは全て女性の中国人だった。

一度、朝、電話を受けたが、
その日は都合が悪く受けられなかくてお断りしたのが、
ハンマーで殴って金品を奪った二人組みの強盗の通訳だった。
帰ってから新聞を見て、事件を知り、
「これは断ってよかったかも?」とか、思ったりした。
そういうのは、正直、さすがにちょっと遠慮したい。
                    

仕事の依頼が来た場合は、たとえ気がのらない仕事でも、
できる範囲で受けるというスタンスでいるので、
せっかく来た仕事を断るのは、本当に後ろ髪を引かれる。
これは、お金のためというより、仕事の幅を広げたい、
コンスタントに仕事を確保したいので、顧客を増やしたいという思いから、
この2年あまり、多少無理をしても、仕事はできる限り断らないようにしてきた。

もちろん通訳などはどうしても同時にこなせないため、受けられない場合は、
他の人を紹介したり、お断りすることもあったが、
翻訳などは、時間を調整してこなせる分には受けるようにしているので、
たとえば朝8時半から夕方5時過ぎまで通訳、
夕方5時半から7時半まで中国語講師をやって
8時過ぎに自宅に帰り、仕事関係のメールチェックおよび対応し、
食事をとってから、夜中の1時や2時頃まで翻訳をして、
翌朝はまた8時半から通訳・・・の生活を一週間繰り返すといった
三足とか四足のわらじを履くことも多々ある。
こんな生活が続くと、目は落ち窪み、集中力はなくなるし、
本当に血でも吐きそうな気になる。
あぁ、クローンが欲しい!と何度思ったことか分からない。
そして、ヒマなときは本当にすることがなく、
「今日は何して過ごそうかな?」なので、
こんなにメリハリがありすぎるのも、考え物かもしれない。

(この項おわり)

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