帰国後奮闘編

私に通訳を依頼する普通の日本人は、私の中国語が上手いのか、
下手なのか判断できない人が多いので、
初めて一緒に仕事をさせていただく場合など
「この人で大丈夫?」と、不安そうな顔をされることもある。
また、「センベンさんは、中国語ぺらぺらなんですか?」とか、
聞かれても、正直言って、返答にとっても困るのだ。
ぺらぺらですか??と聞かれても、
控えめを美徳とする日本人としては、「はい」と答えるのは、
どうかと思うし、通訳を生業としているからには、
「いいえ」という訳にもいかない。
だいたい、「ぺらぺら」の基準ってものが、曖昧すぎないか?
だから、センベンさん、中国語ぺらぺらなの?と聞かれると、
「まぁ、一応、通訳なので、それなりに・・・」と、
やっぱり曖昧に答えておく。
ぺらぺらと答えるのも謙虚さに欠けるし、
通訳として報酬を得ているだけに、
いいえ・・・というわけにもいかないのだ。

行った先に、元中国駐在員とかで、
中国語が少し分かる人とかがいると、
やっぱり、ちょっと緊張する。

一度、「私、中国語が少し分かりますから、
滅多なことは言わないように」とか、
釘を刺されたときは、こわっっと一瞬、凍りついた。
この人、どんなに中国語ができるのかしら?と、
ビビりまくっていたのだが、
よくよく聞いたら、
レベル的には日常会話が少々・・・くらいだったので、
謙遜ではなく、本当に「少し」だったようだ。

まぁ、黙っていられるよりも、
「分かります」というのを言ってもらった方が、
後になって「実は中国語、分かるんですよー」よりも、
ずっと親切だ。
中国語が分かる人がいるのといないのでは、
訳す際の緊張感が違ってくる。
ここだけの話、正直、誰も中国語が分からない環境だと、
頭が疲れてくると、
最後の方には、「??って感じ?、わかるぅ??」みたいに、
適当になることも結構ある。

だいたい、開き直るわけではないが、人間の集中力なんて、
そんなに何時間も持続するはずがないのだ。
が、その場に一人でも中国語が分かる人がいると、
とても、こんないい加減な訳し方はできないので、
どんなに疲れてきても、
きちんと訳そう!と気をつけている。
集中力は切れても、緊張感は持続できるものらしい。

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