お題;延々と古典を繰り返し愛好でいいのか?

広州で日本語教師をされている羊羹さんの連載です。
(2008年ごろの内容です)

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 南方の広州は一瞬の春はもう過ぎて夏が到来といった感じ。
3月に現在担当のコースは終了するので、♪目をと〜と〜じて♪と、『昴』を
クラスで練習しています。
うーむ、名曲なのですけど、またまた『昴』になってしまったかと。
クラス終了のときには、パーティーをやるのですが、そこでクラスごとに合唱
や寸劇、朗読、スピーチ、踊りなどを披露します。
私の担当しているのはビジネスクラスなので、あまり練習に割ける時間がな
いため、大体は合唱で、ということになるのですが、そこで、生徒たちに「どの
歌にしますか?」と選曲させると、やっぱり20代の子達でも、『北国の春』とか、
テレサテンの日本語版を選んじゃう。
あとは、どうしても日本語と中国語の両方あるものになってしまうので。
♪ほ〜ら〜足元♪ってばかり。やっぱり、良く知ってるメロディーの曲を歌いた
がって(香港の日本語教師の方も同じ意見でした)冒険したがらない感じなん
です。
個人個人では、興味を持って新しい曲もたくさん聴いているようですが、いざ、
歌う!となると、慣れ親しんだ有名な歌でないと嫌という感じ。
まー、私としてはむしろ古い曲の方が好きなので、楽なんですが、いーんだろ
うか・・・こんなワンパターンで。
で、「ちょっとこの歌はどう?」なんて勧めても露骨に食いつきが悪いので、無
理強いはいけないしってことでマンネリ化しております。
やっぱり、古典を延々と繰り返し愛するお国柄なのかとか、(←飛躍しすぎでし
ょうかねえ?)まあ、有名な歌を歌えるようになってよかった!と、生徒たちが
楽しければきっとそれでいいんですよね♪通信教育で、今更ながら日本語教
育の勉強をしてるんですが、「主役は生徒。教師じゃない。何事も生徒中心で!
生徒主体で」と学んだのです。
ついついこうした方がいいんじゃあ・・・と、押し付けがちな傾向があるなと反省
したのですが、つい又『昴か』?!と。
 ちなみに、前回作文を載せていただいた生徒が、年末の学校主催日本語カ
ラオケ大会で優勝したんです。
舞台からバラの花をなげるという演出(汗・・・)もあり、陶酔し切った歌いっぷり
でお見事でした。
もちろんその影には、さすが!喉がかれるほどの努力ありです。
それにしても、今学期のビジネスクラスは、語学力も人柄!もレベルが高いと
いうか、自ら進んで吸収していくタイプの生徒が多くて楽々過ぎるぐらいでした。
授業後の帰り道は、生徒たちの明るい笑い声に包まれたあとなので、エレベー
ターのない七階に住む私の足取りも軽いほど。素晴らしいクラスでした。
その分、自分のいい加減さや惰性ぶりが・・・。
生徒たちの努力や頑張りぶりに感動すると、私もがんばらなきゃ!といつも思う
んですが、気合ばかり焦って空回り。
では、最後は中国人学生のスピーチ締め括り定型文風で。

「最後に、生徒の皆さんにありがとうと一言ここで感謝を申し上げたいです。」

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