死刑制度には反対です

私はずっと死刑制度反対なのですが、最近死刑存置どころかどんどん死刑判決が増えていてどうも不安です。新聞社をやめたころは死刑の執行が止まっていて、このまま死刑廃止へソフトランディングできるのかなとみていたのですが、オウム事件のあたりで形勢逆転、最近ますます加害者のスケープゴート化が加速しているように見えます。

被害者の感情を考える、犯罪抑止力、国民感情、など死刑賛成の理由はいろいろあると思いますが、どうもどれも論拠が薄いように思えるのですがいかがでしょうか。
加害者を死刑にしても被害者は癒されないだろうし、犯罪も減らないと思いますし・・国民感情といわれても近代に醸成されたのでしょうから。
死をもって償う文化があるという文化人もいるようですが、平安時代には死刑はなかったのですから克服可能だと思いますが、克服する必要がそもそもないと考えているのが国の姿勢のようにも思えます。

身代わりの山羊を差し出す儀式をすれば社会の安定は保たれる、という操作は歴史上いたるところで(近いところでは中国の文革もそういう側面があると思います)行われていて最近の厳罰化もその一端なのでしょうから。

要は国が人を殺すなんておこがましいと考えているので、信仰に近いのかもしれません。
死は、信仰でも哲学でも最重要テーマのはず。もっと真剣に考えられるべきだと思いますが・・